お別れはブロ解で
@kenkom
第一話 またか!ブロック再発動
『何度も聞いちゃってごめんね。来月あたりに会えないかな』
げっ、まただ。チバさんも誘ってきた。どうしてSwitter って、言い寄ってくる男の人達ばかりなんだろう。思わず、ふっと鼻で笑ってしまう。サイドテーブルにスマホを置くと、ベッドに寝転がり掛け布団に顔を
どれだけ時間が経ったろう。いつもは気にならないのに、今日に限って部屋の汚れがやけに気になる。
床に転がっていたビニール袋を拾い上げ、空のペットボトル、缶、弁当の容器などのゴミを勢いよく放り込んでいく。
久しぶりに現れた床には、スイーツの汁のようなものが乾燥して付着している。甘く酸っぱい微かな臭いを感じる。それを拭き取ったウェットティッシュをビニール袋に入れてから縛ると、自室の前の廊下に出した。こうしておくと母が回収してくれる。
最初は重かった体も片付けをするうちにリズムを摘みテンポが良くなる。その勢いが消えないうちに、チバさんをブロック。
Switterでワタシのプロフィールを開く。カールした前髪の下に、大きな二重目がバランス良く配置された顔が写っている。ミッシー、十九才、JD1などのプロフィールが書いてある。ワタシの名前は
ちゃんとプロフィールに、『出会い厨禁止』『お別れはブロ解で』に書いてある。それを守らなかったチバさんが悪い。
埃っぽい室内を換気しようと窓を開けた。どこにでもありそうな建売の戸建が並んでいる。枯れた葉同士が擦れ、落ち葉が地面を転がる乾いた音が、聞こえてくる。夜風がひやっと心地よい。
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