第14話 昔話
「むかしむかしある所に勇者と聖女が降り立ちました。勇者と聖女は神様より神託を受けていましたが降り立った場所が猛獣が住む森でした。そこに戦争難民と開拓使団のキャラバンがやってきました。勇者と聖女はキャラバンのみんなと一緒に生活しました。おしまいおしまい……」
「……これ、おじいちゃん達の話だよね?」
「どらごん、たおした?」
「神託ってどうなったの?」
「難民キャラバンってどんな人達だったの?」
「あまいのたべたーい」
「おいおい、そんなに1度に話しかけられると答えられんわい……そもそも50年も前の事じゃから忘れたわい」
「えぇ、神託についても次の世代に頑張ってもらおうかと思ってね。私達ではもう話を聞いても身体がねぇ……」
「……もう曾孫もいるじゃん!」
「子沢山だし、孫も曾孫もめっちゃおるやん」
「どらごんならまかせろー」
「わたし!ぐりふぉんにのってそらとべるよー!」
「おーくだってたおせるぞー!」
「ひゃー」
儂たちの周りにいた曾孫達が盛り上がる。
自宅に戻り、久しぶりに家族を集めて食事。
村の仕事があるから、という事で来れない子達もおるがそれでも総勢14人集まったから良しとしよう。
食事の後、孫曾孫たちにお話を求められたので昔話を少々。
この森にやってきて生活を始めてネスさん率いる開拓使団と出会い村が出来たお話です。
一応女神に出会うという目的はあるから王都に行かねばならないんだけど、生きるだけで精一杯だったし、この森のモンスター強いしで全く動けなかったからね。
女神からの信託は儂が切り開いた道を使って孫、曾孫達が達成してくれるだろう。
ついでに嫁さん婿さんを連れてくるなら尚良。
てか、そっちを頑張ってくれ。
人生はいろいろじゃが出会う機会が無いのも道を狭くしておるだけじゃからな。
色々な人と出会ってくれ、それが儂の願いじゃ……
「じっちゃん!今パープルスライムが倒せなくて困ってるんだ。倒し方教えてくれよー」
「お爺様、私からもおねがーい!今薬屋のミロロさんから解毒薬の作り方教えて貰ってるんだけど、パープルスライムの素材が足りてなくてー。明日とか裏山の水路についてきて欲しいの!」
「じいじー!ぐりふぉんのはなししてー」
「ずるーい!つぎはわたしのばんよ!わいばーんをたおしたときのはなしがききたいの!」
「ばあばのはーぶてぃーのつくりかたもしりたーい」
「あ、僕も知りたい!本読んでる時に飲むと頭がスッキリするんだー」
「はいはい、ハーブティは明日の朝入れ方講座でもしましょうかね。もうバァバはねむねむなのよー」
「じいじも身体がバキバキだからのう……アテテ、久しぶりにスキルを使ったら腰に来おったわい……お話は明日しような。スライムの倒し方も明日やろうぞ?なーに、コツさえ掴めばあっという間じゃよ」
「「「はーい!!!」」」
うむ、聞き分けが良くて助かる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます