第11話 激烈ファン投票!推しに投票せよ!

「そろそろファイナルステージのセカンドに上がるためのファン投票が始まる頃だなぁ」

そう、この時つぎの審査に上がるためのファンによる投票が2日後に迫っていた。

このファイナルステージセカンドには今いる114名の中から40名が進出することができる


みんななんとしてもセカンドに進出したいのだろう

その日は候補生みんながライブ配信やらトゥイートで賑やかだった。

『投票お願いします!』

『セカンド審査に上がりたいです!』

『絶対後悔はさせません!』

など、みんな必死だ。

学業とアイドルオーディションを天秤にかけアイドルのオーディションを選んだ子や就職はしたもののアイドルになる夢を諦めきれずに仕事を辞めてオーディションに挑んでいます!という子もいる。

みんなそれぞれこのアイドルオーディションに命をかけている。

なんせファイナルステージにまで上がってくる方たちなので、並大抵の意気込みではないのだ。


「なんか投票したくないなぁ」

俺はそんな場の空気にそぐわないことを考えていた。

全員に同じ票数を投票するなら投票したいが、この子には投票するけどこの子には投票しないというのは気が進まない。

なぜならこの物語のタイトルにもなっている

【推しが114人いる俺最強】だからである。俺は114人全員を応援すると心に決めているのだ。


全員に同じ票数を入れるということは俺の票は0といっしょ。すなわちまったく誰にも投票しないのと同じことになる。

でもまったく投票しないのは違う気がするし、例え投票数が0と同じだとしても投票するという『行動』は必要だと思った。

「ん~やっぱ全員に同じ数を投票するか」

候補生のみんなごめん。俺票数では貢献できないわ。


ティロ~ン♪

スマホの通知音が鳴ったので見てみると

トゥイッターのスペースという声だけのライブ配信が始まったようだ。

ちなみに俺はトゥイートやライブ配信にすぐに気づけるように114人全員がなにかアクションを起こした時に通知が来るように全通知している- ̗̀📢

今は朝の7時。誰だろ?朝から頑張るなぁ😊

画面を覗き込むとHチームのキャプテンのマリナちゃんの配信のようだ。

スペースに参加してみる。


『今日の2位はB型の人~おめでとうございまーす!』

これは朝の血液型占いだね☝うん。

『そして~第3位はー!A型の人~!A型の人いますか~?今日のラッキーアイテムは映画です!「A~画」ってこと!』

『そして~今日1番ツイてない血液型は~、、、AB型の人~!でも心配はいりません!AB型の人は今日「エービー天」を食べましょう!これさえ食べれば悪い運気なんてどこかに吹き飛ばしてくれるでしょう~』


俺は可愛すぎて思わず笑ってしまった😂

そこで俺は

「ちょっと全国のAB型の人が可哀想なので、とりあえず腹筋10回お願いしてもいいですか?w」

と、なんの脈絡もない事をコメントしてみる笑

すると元々ライブ配信者出身であるマリナちゃんはノリのいい女の子なので

『やっちゃうよ~腹筋‼️w』

と言って一生懸命『よいっしょ!よいっしょ!』と言って腹筋してくれた笑

「見えないことをいい事に声だけエア腹筋お疲れ様ですm(_ _)m」

とコメントする俺w

『ちゃんとやってるし!😤私ズルなんてしないし!笑』

的なやり取り💡朝からマリナちゃんのおかげで今日は楽しく1日過ごせそうだ😆

マリナちゃんが可愛すぎたのでちょっとイジワルしたくなっちゃっただけなのである🤭


そして今日ついにファイナルステージセカンドへの投票が始まった。

セカンドステージへ進出できるのは40名。

ただ合宿でのグループパフォーマンス審査でグループGの14名が先にセカンドステージに合格しているため残り26名の席を100名で競い合わなければならない。

合宿での個人審査やSNSでの自己表現力など多数の要素を加味しファイナルステージセカンドへの進出者40名がここで決まる。

まぁ俺は前途した通り自分の投票に意味が無いことを理解している。

だから投票に関しては俯瞰的視点で見ている。


そんな中、花もSNS審査と並行してファン投票が行われているようだ。

『オーディションの投票が始まりました!応援よろしくお願いします!!』

花がSNSでファンに向けてそう投稿した。

「花~絶対合格してくれ~💦ここでサヨナラは辛すぎる😭」

俺もすぐにその投稿にリプした。

「応援してます!頑張ってください!」

応援はしているが投票に貢献出来ていない自分が少し後ろめたく感じた。


そんな中、俺は大失態を犯す。

投票開催に合わせて先日の合宿中の新たな動画が公開された。動画の中で見つけた花が一生懸命練習している姿をスクショを撮り

「この花ちゃんの真剣な顔が素敵です✨」

とリプ欄にいつものように送ると花から返信が。

『これ私じゃないです、、、』

「えっ!!!?」

心臓が止まるおもいだ💦生きた心地がしなかった。

こんなに毎日やり取りしてこんなに毎日花の更新される写真を見ているのに他の子と見間違えた!?

俺は必死にこれは夢だと思い込もうとした。現実逃避である。

その夜、いつものように花が投稿している『♯花コーデ』のリプ欄に恐る恐るリプ返をしてみた。


「僕は今日の朝、大好きな推しの花ちゃんを見間違えるという大失態を犯し、しかも推しの花ちゃん本人に『それ私じゃないです』という言葉まで言われてしまうという夢を見ました。夢の中で心臓が止まりました💦これって夢ですよね?」

そうリプしてみると、花からすぐに返信が来た。

『あら!亮さんそんなことがあったんですね💦

あの、それは、、、、、、現実です‼️』

「ガーン(꒪⌓꒪)」

やっぱり現実だったのか、、、もう謝るしかない!

「花ちゃん見間違えてごめん!この大罪を許していただけますか?」

すると花は笑って

『これからも花をよろしくお願いします😊』

と言ってくれた。

「よかったー!」

ホッと胸をなでおろした。


その後、中間結果が発表される。

1位:アオイ

2位:マリー

3位:花

4位:ヒナ

5位:サクラ

6位:真希

7位:ユナ

8位:ココア

9位:ユキ

………

この10位以内の子達は大丈夫そうだな、、、でもまだわからないか…

そのあと更に彼女達のファンに向けての熱いメッセージが加速する!


そして、いよいよ投票が締め切られてファイナルステージセカンドへの進出者の結果発表の時が来た。

俯瞰して見ているとはいえ、この時ばかりは俺もドキドキで部屋の中を意味もなくウロウロしている。

通過者の発表は通過者イベントで発表されることが予てより予定されており、セカンド通過者を発表するイベントが東京有明の大きなホールで開催される。



第7話 通過者発表イベント

に続く……

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