番外編 中先代の乱(逃げよ時行)
鎌倉時代末期、鎌倉にて鎌倉幕府の事実上の支配者である北条氏の嫡流である
1331年、鎌倉幕府と
新田義貞による鎌倉攻めも行われ(
「ち‥‥‥父上をはじめ‥‥‥多くの者が‥‥‥なくなってしまった‥‥‥これからどうすればいいんだ‥‥‥!!」
時行は父の高時をはじめ多くの者を失ってしまいどうすればいいか路頭に迷っていた。
だが、そんな時、得宗家の被官(家臣)である
「時行様、鎌倉は新田勢によって占拠されまする。ここは鎌倉を脱するほかございません!! わたくしと一緒に鎌倉を抜け出しましょう!!」
「わ‥‥‥分かりました。逃げるのは子供の時から大好きでございます。あなたと一緒に鎌倉を脱します!!」
こうして、時行は得宗家の被官である諏訪盛高と共に鎌倉から抜け出し、難を逃れてたのである。
幼い時行はそのまま諏訪氏の本拠地である信濃国に渡り、
しかし、都暮らしに慣れていた時行は、信濃国で暮らすのは当初苦労したという。
だが、何年か暮らしている内に信濃国の生活に慣れて言ったそうな。
その後、鎌倉幕府倒壊後に後醍醐天皇が開始した建武の新政(1333年 - 1336年)が行われる。
しかし、武士の扱いに不満を持った多くの者達が各地で反乱が起こす。ただ、それらの半数以上が北条与党によって起こされたものだった。
少なくとも奥州北部・北九州・南関東・日向・紀伊・長門・伊予・京の8か所で北条氏による乱が発生する。
時行は後醍醐天皇による建武の新生に不満を持つ勢力や北条氏残党を束ね、信濃国で諏訪頼重や滋野氏ら諏訪神党、
「皆、鎌倉奪還のために私の元に集まってくれて感謝します。私はこれより鎌倉を攻め入ります。共に鎌倉を奪還しましょう!!」
「「おお――――――!!」」
時行の宣言と共に多くの者らが歓声をあげたという。
その傘下の武将には建武政権に仕えていたのに政権に反旗を翻した者もおり、大規模な反乱軍であったと思われる。
時行らはまず信濃国守護であった
時行は上野国に攻め入り、足利尊氏の弟で建武政権の東国を守護する
「私は鎌倉を後醍醐天皇より預かられておる。時行にこの鎌倉を奪わせはせぬ!!」
直義が時行の鎌倉奪還を阻んだ。
「敵は北条家を裏切った足利尊氏の弟・直義です。必ず倒して、鎌倉を奪還しましょう!!」
時行は相手が足利一門の直義であることをしり戦意を高めたという。
時行はこれを
「馬鹿な‥‥‥渋川義季・岩松経家・小山秀朝・石塔範家らが討ち死にしようとは‥‥‥ここは‥‥‥私が出陣する他ないようだな!!」
直義は配下の武将たちが亡くなったのを知り、自ら出陣したのである。
ついに直義は自ら軍勢を率いて、井出沢)で時行を迎え撃とうとしたが、時行はこれにも勝利した。
時行は鎌倉に入り、武家にとっての旧都の奪還を成功させた。
「ついに、私の故郷にして北条家が代々守ってきた鎌倉を奪還したぞ!!」
時行は大いに喜んだという。共についてきたもの達も時行と同じように大いに喜んでいた。
しかし、喜びもつかの間、
時行らは尊氏を迎え撃とうとしたが、出陣の直前に台風に見舞われたため、鎌倉大仏殿(高徳院)に避難した。ところがそのとき、大仏殿が倒壊し、500余人の兵が事故死した
「馬鹿な‥‥‥大仏殿が倒壊しようとは‥‥‥これは天から我らに災いが起こるという報せではないのか‥‥‥!!」
大仏殿が倒壊するという縁起のない事態に、家臣一同は動揺し士気が低下してしまう。
この士気が低下した状態で時行は尊氏と遠江国橋本で交戦したが敗北する。
以降、尊氏との戦いが続き、時行方は足利氏庶流今川氏の武将、
そして、ついに時行は鎌倉にまで追い詰められ、諏訪家当主の諏訪頼重・時継親子や
このとき大御堂(勝長寿院《しょうちょうじゅいん)で頼重を含め43人の大名が自害している。その際に自害した者達の顔がはがされていたという。
これは、時行も自害したと見せかけるために、自害した者達の顔をはがしたものであった。
彼らのおかげもあり、時行自身は鎌倉脱出に成功し、落ち延びたのである。
時行が鎌倉を占領していたのはわずか20日ほどであるが、先代(北条氏)と後代(足利氏)の間に位置し、武家の府である鎌倉の一時的とはいえ支配者となったことから、この時行らの軍事行動は以降「中先代の乱」と呼ばれる。
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