転生したら魔王の娘だったので、美少女四天王の百合を楽しみたいと思います!

Mimiru☆

第1章 転生と出会いと

#1.人は死ぬと転生するらしい。

人というのは、簡単に死んでしまう。

病気にかかったり、老衰だったり。

若いうちでは、こんな死に方は嫌だ、なんて話すことだってあったっけ。

私も、その1人だった。


「おい! 誰か! 救急車を呼んでくれ!」


どうせ死ぬなら、かわいい女の子がいる、天国に運ばれたい。

そしたら何も後悔なく、天国に行けそうな気もする。

もしかしたら最近流行りの転生、なんてのもありえたりするのかな。

なんて、馬鹿みたいに呑気な私は、そう思っていた。



「君、しっかりするんだ! 大丈夫か!?」


「早く来てください! 女の人が、トラックとぶつかって……!」

 

気がついた時には、視界が赤かった。

痛みすら感じることもなく、身体はぴくりとも動かない。

耳元で私を呼ぶ声も、救急車の音も、どんどん遠くなっていく。

自分の意識と共にー……


その日、私という人間は大型トラックと衝突し、誹謗の死を遂げた……はずだった。


         ・

  


         ・



         ・ 

 


         ・


何かの光が、眩しく感じる。

目を開けたくても、開けたくないくらいに。


体のあちこちが、痛い。

自分の体があるはずなのに、動かそうにも思うように動かない。

そりゃ、あれだけ派手にぶつかればそうなるか、なんて考えるのをやめてしまう。


気がついた時にはトラックが目の前にいた。

それからは痛みしか、正直覚えていない。

まさかこんな死に方をするなんて、誰が思っただろう。


死んだらどうなるんだろう。

てっきり痛みも何も感じない、雲の上の世界に連れて行かれると思ってたけど。


「うまれたーー! うまれたー!!」


しかし不思議だ。天国にも、鳥とかいるんだな。

鳥……にしちゃあなんか、すんごい高い声が聞こえてくる気がするけど。

例えて言うなら、カラスとかそっち系に近い感じ?

てっきり空の上だから、そういうのもいないと思ってた。


きっと天使とかが騒いでるんだ。

まさか久々の死者到来とかだったりしたのかな? 私ってば、この天国に名を刻んだりしちゃう??


「魔王様!! ようやく目を覚まされました。元気な女の子です!」


ん?? 魔王???? 

ぼんやりしていた意識が、ようやくはっきりしてくる。

パッと目を開けると視界に入ってきたのは、煌びやかなシャンデリアだった。

その下を鳥が喋りながら、ぐるぐる回っている。


って、なんで鳥が室内におんねん!!

てかあの鳥! めっっちゃ赤くない!? あんな鳥みたことないんだけど!!


「しっかし驚いたゼ。まさか本当に娘がいるとは」


「みてこの可愛い目! 奥さんにそっくり! きっと将来はべっぴんさんね!」


「いやぁ、なかなか目を開けないからびっくりしたぜ。人間との子ってだけで勝手が違うから、ひやっとしたわい」


「でも本当によかったわぁ。一時はどうなることかと……」 


そんなことを呑気に思ってる暇は、私にはなかった。

視界の中に、たくさんのものが飛び込んでくる。

犬、猫、鳥。うん、顔は普通だ。

でも体がどこからどうみても人間だ。

中には、一つ目のでっかい巨人っぽいのもいる。


まってまって、これ、どう言う状況??

この人たちを一言で表すなら、ゲームでよく見るモンスター的な感じ……?

ひょっとしてこれ……もしかして、もしかしたりします???


自分の手を目にいれようとして、思いの外小さくてびっくりする。

そして魔物達の目に映る自分の姿に、察してしまった。

これってもしかして、赤ん坊に転生したってことですかー!?


(つづく!!)

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