第21話

         第一章

       これからの活動


 エルは悩んでいた。


 とりあえずはメイン武器の剣を育てていくつもりだったがここまで経験値効率が下がるとなると先に別の武器を育ててしまうべきだと。

 今の所、原初の剣が経験値、第二の剣が力というのは確認していた。


 「よし!まずはそれぞれの武器種のステータスを確認するか!」


 エルは次々に武器を顕現させては消してを繰り返していき、ステータス欄のバフを確認していく。


心装顕現→ 魔剣顕現lv2(2/200)

     原初の剣lv1(5/100)

     第二の剣

    →魔槍顕現lv1(1/100)

     原初の槍

    →魔斧顕現lv1(1/100)

     原初の斧

    →魔盾顕現lv1(1/100)

     原初の盾

    →魔弓顕現lv1(1/100)

     原初の弓

    →魔杖顕現lv1(82/100)

     原初の杖


魔剣顕現→原初の剣→第二の剣

ボーナス ◯原初

     (剣)経験値取得up(極小)

     (槍)素早さup(極小)

     (斧)体力up(極小)

     (盾)頑丈さup(極小)

     (弓)器用さup(極小)

     (杖)魔法適性up(極小)

     ◯第二

     (剣)力up(極小)


 全て判明したのがこのステータスだ。ゲームの時にあった個別のステータスである 

力 素早さ 頑丈さ 器用さ 魔力 体力

がそれぞれ強化されていくようだ。

 だが、経験値や魔法適性など特殊な条件も含まれているようだから一概には言えない。


 予想では原初シリーズは基礎系統を挙げていくのだろう。剣と杖はよく分からないから外れ値として処理だ。

 第二の剣は力が上がっていることから杖は魔力upだろう。それと他のシリーズは何か特殊な物が現れるかもしれない。

 それと、原初の剣のレベルを上げれば新しいステアップがつくか、今の極小が小くらいになるのではないだろうか。


 要検証だなとエルは結論づけると大きく伸びをする。そろそろ父が起きてくる時間なので部屋に戻っておこう。


 「よし!とりあえず各顕現レベルをlv2に上げる前に原初の剣をあげて経験値効率を上げていくか!」


〜〜〜〜


 昨日方針を決めて身体を休めたエルは、次の日から早起きして父と共に中層に直行していた。

 その日からボブゴブリンを肩慣らしに数体狩ると次の種類も相手をしてみようという事になりウルフやボア、ベア系統の正統強化型と戦った。

 ウルフは単純に力や素早さが上昇しており、ボアは突進力と体格が良くなってタフネスさが上がっていた。

 そして、1月が経った頃珍しく現れた中層のベアに関しては魔法で即死させようにもレジストされたのか普通に戦闘をする羽目になった。


 「エル!俺が抑えておくから攻撃を頼む!」


 「分かりました!回復魔法はまだ使うことができないので怪我だけは気をつけてください!」


 父にタンクをこなしてもらいながら、アンガーベアの強化型、ストロングベアに細かく攻撃を入れていく。

 厚い毛皮や皮下脂肪に阻まれ致命傷を与えることは厳しいが徐々に出血を増やしていき体力を削っていく。


 「父様!まだ耐えられますか!?」


 「任せろ!いくらだって耐えてやるさ!」


 その言葉に安心して俺は魔術を使う事にした。使うのは風魔法だ。

 エアカッターの数を10刃ほどに絞り、そこに魔力を倒れない程度に込められるだけ込める。

 イメージは高速回転するディスクのイメージでストロングベアの関節を削るように発動する。


 「下がってください!」


 キュィィィィン


 この世界では聞きなれないような高速回転する音を響かせストロングベアの膝裏や肘裏、肩や手首、足首などにそれぞれオリジナルのエアカッター、◯円斬が向かっていった。


 ズシャ バシュンッ


 切れ味は十分だったようでそれぞれ切れ込みを入れようと思ったら切断までしてしまった。

 そのままにしておくと危ないので急いで◯円斬を1つを残して消した。

 残った一つで首元めがけてブーメランが戻ってくるようにUターンさせる。

 順当に◯円斬はストロングベアの首を切り落とした。


 「はぁ…お前、おっそろしい魔法を開発してんだな…。なんだあれ。冒険者を長くしていたが見たこともないぞ?」


 「当たり前ですよ!僕が考えてアレンジだエアカッターですし!」


 「あれはもう中級レベルを超して上級にも届くかもしれんぞ…。」


 「まっさかぁ!まだ中級魔法も使えないんですよ?無理ですって。けどそのように言って頂けて嬉しいですね。」


 「まぁ、それならそれでいいけどな?さて、この惨殺現場をどうするかだが…」


 この前のように解体場所を土魔法で作りあげる。


 「2人でやったらすぐ終わるはずですよ!途中からは僕が小屋まで運び役をしますし。」


 「分かった。なら今日はこいつを解体して終わりだな…。これは日が暮れるぞ…。」


 実際2人でせっせこ解体作業をしたおかげでギリギリ日暮前までに帰って来れたが肉は捨ててくる事になった。

 だが俺としては満足している。

 中層から出る魔石の中でもピカイチの魔石を手に入れることができた。

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