第9話 ユニークスキル
第一章
ユニークスキル
「よし!なら次はユニークスキルに手を出すか!」
今の魔力量は全体の7〜6割か?まだまだ余裕はあると言える。
木剣をもらったことで解放された心装顕現の魔剣顕現を発動させてみるか。
「アクティベート!アームド!」
手を前に出してキーワードを言葉にするとごそっと魔力を持ってかれた。大体3割ほどか?やばすぎるな…初めて発動した時はそりゃ魔力切れで倒れるわけだ…
目の前に現れた魔剣は…は?木剣と全く同じ形だった。特に変わった様子もない何度か振ってみても木剣と変わらない。
もしかして本当に武器を再現するだけ?
ステータスを確認してみる。
ユニーク 心装顕現 lv1 (0/600)
ツリー表記
心装顕現→魔剣顕現lv1(1/100)
→魔槍顕現lv1(0/100)
→魔斧顕現lv1(0/100)
→魔盾顕現lv1(0/100)
→魔弓顕現lv1(0/100)
→魔杖顕現lv1(0/100)
魔剣顕現→原初の剣→???
→???
共通ボーナス
魔剣ボーナス 経験値取得up(極小)
ユニークスキルのところだけをすぐみると新たな項目が増えていた。なるほど、進化させたり新たな魔剣を魔石やレベルアップで取得して強化していくわけね…。
ボーナスに関しては共通と魔剣を装備した時だけのボーナスがある様だ。と、なるとだ。他の武器も装備してみたくなるなぁ。父に頼んでみるか。
お昼の時間もそろそろ終わりかけだったので最後に残った魔力をほとんど使い切るつもりでウィンドボールに魔力をぶち込みぶっ放すと魔導書を持って家に帰る。
「おかえりエル〜。今日はどうだった?」
母がご飯を用意しながら聞いてくる。俺は魔導書を棚に置くと生活魔法を使って手助けできる部分は手伝い始める。
「とても楽しかったですよ!父様から初めて剣を習った後はあの魔導書で色々な魔法を試して遊んでいました!」
「そう!良かったわね!むりはし過ぎずに頑張るのよ?」
「はい!」
母と談笑しながら作業していて、ご飯が出来上がるころ父が帰ってくる。
「ただいま〜」
「「お帰りなさい!」」
「おう、今帰ったぞ!」
今日は特に獲物を狩ってきたわけではなさそうだ。
「今日は昼から何をしていたのですか?」
「ん?ああ、村にある広場に商隊が来ていてな。そこに領主として顔を出しに行っていたんだ。ほら、お土産もあるぞ。」
そう言って母に何かを渡す。
「あら、お菓子じゃない!それに砂糖?そろそろ無くなりかけていたから有難いわぁ!」
母がルンルン気分で貰ったものを戸棚に入れる。
「その商隊はもう村を出たのですか?」
「いや?物を売り捌いたり買ったりするために後数日は滞在していると思うぞ?なんだ、明日一緒に行ってみるか?」
「本当ですか!是非いきたいです!」
「よし!なら三人で出かけるとするか!」
今まで家から出てこなかった身からすれば初めてのお出かけだ。楽しみだな。なにか買ってもらおうとかはないが武器類を手に持たせてもらえると嬉しいな。
俺はワクワクした気持ちを抑えられずに過ごした。
次の日の朝、いつもの様にルーティンをこなして父の剣術の訓練を受ける。そして、昼頃に三人で村の中央まで出掛けに行く。父と母はそれぞれ馬に乗れる様で俺は父さんの前に乗せてもらった。
視線が高くなり一気に見えるものが増えた。家の庭は柵で覆われておりその先を見たことはなかったが、一面に広がる小麦畑やその間を通る水路、そこで働いている村人など牧歌的な風景が広がっていた。
我が家は少し小高い丘上にあるようで、平になった部分を家の土地にしている様だ。
「こんにちはー。」
道行く時に会う人々に欠かさず挨拶をする。こういう地道な努力が大事だって思います。
広場に近づくほど家屋が増えていき賑わいも大きくなる。
途中から石畳に変わり少し進むとすぐに広場に着いた!多分想像していたよりも広いがあまり整備されていない感じだ。
広場の真ん中にキャラバンの様なものがありその周りを囲う様に露店が連なっている。
ちょうどお昼時だからか賑わっておりガヤガヤとしていた。
「じゃあ、見て回るか!」
両親に手を引かれて露店を見て回る。食器やアクセサリー服などの日用品から珍しい食材の様なものまでいろんな種類のものが置いてあった。
母は食器や料理道具を買おうと物色するらしく俺は父と先に進んでいく。
目に止まったのはやはり武器が置いてある所だ。父親も俺がここで立ち止まることはわかっていたかの様で抱き上げてみやすい様にしてくれる。
「ほら、いろんな武器があるだろう?今は剣を教えているが後々に自分で色々と試してみるといい。」
「父様は剣以外に何を使われるのですか?」
「うーん、俺は剣と盾、それに弓くらいだな。槍と斧も振り回すだけならできるが中級にも満たないだろうなぁ、よくて下級じゃないか?」
それでもほぼ全種類の武器を等級持ちで名乗れるのはすごいと思うのだが…
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