第95話 船の持ち主を見つける
私は天王剣で、一端ネログーマへと戻った。
ゲータ・ニィガ国王がまだ滞在していたので、国王にも今回の件を報告。
アビシニアン女王、そしてゲータ・ニィガ国王の二人が、驚愕していた。
「まさか……バミューダ三角海域の問題を解決してしまうなんて……」
「凄すぎます……!」
国王二人ともが驚いていた。
どうやら、船長の言っていたことは本当だったようだ。彼が嘘を言ってないのは
「感謝する、副王殿」
「やはりアレクは素晴らしいおかたですわ……♡」
「うむ、誰にも頼まれたわけでもないのに、次々、国際問題を解決していく。自ら率先してだ。他の大臣たちに、副王殿の爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ」
しかしまた国際問題だったな。
世の中、私が思う以上に、国際問題はゴロゴロあるのかもしれない。
おっと。
「そうだった。実はお二人に頼みたいことがあります」
「なんですか、アレク?」
私はガンコジーさんに目配せする。
彼は持っていた羊皮紙を、アビシニアン女王陛下に渡す。
アビシニアン女王は羊皮紙に目を通す。
「これはなんですか?」
「沈没船の目録です。番号と、その隣に所有国名が書いてありますね」
「ええ」
「その国に船をお返ししたく存じますので、各国に連絡を取っていただけないでしょうか」
は……? とアビシニアン女王が目をむいていた。
おや?
「副王殿よ……まさか、水揚げした船の所有者が、すべてわかっているというのか?」
「? ええ。それが?」
唖然とする国王達。
おや、おや。どうしたことだろう。
「ほらおっさん。やっぱり驚いてるじゃねえかよ」
人間姿の古竜があきれた調子で言う。
「船の見た目だけで、持ち主がわかるなんて。やっぱおかしいよ。しかも船は直近だけじゃない、ずいぶんと昔のもんまであるんだぜ? 船の名前がかすれて読めない船もあった」
「それでも、持ち主を言い当ててしまうなんて……どうやったのじゃ?」
ガンコジーさんからの問いかけに、私が答える。
「
「またかよっ!」
「作られたモノには、作成者の
ドワーフが作ったものには、ドワーフ特有の
その理屈で、どの船が、どこで作られたものなのか(エルフ国等)、だいたいわかるのである。
「すごい……沈没船の持ち主を、手がかりゼロで言い当ててしまうなんて。さすがですね、アレクっ!」
アビシニアン女王、そしてゲータ・ニィガ国王も感心したようにうなずいていた。
「やっぱり
古竜がそう叫ぶのだった。
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