第36話 愛、足りないんじゃない?

少し前の話だけど、体育の授業前に更衣室に行くとき、私が忘れ物か何かして3人と一緒に行けなかったことがある。

もう3人とも着替えてグラウンドに行ったかな、意外と早く更衣室来られちゃったな、と思っていたら、更衣室から声が聞こえてきた。


私(何人かいる。誰だろう?)


まったく見当もつかないまま入ったら、3人がもうすぐ着替え終わるところだった。


私「……何だ君たちか!誰かと思った。」

すみだん「お~早かったね~」

ゆみ「声で分かんなかったの!?」

私「…ちょっと急いでたから気付けなかった…汗」

ゆみ・ひさめさん「愛が足りないなぁ!笑」

私「違う違う!! ごめんって!! もうちょっとゆっくり来てたらきっと気付けたもん!笑」

3人「笑」



速度の話に関しては完全に言い訳だけど。


私(……愛、あるよ。私、ゆみのこともすみだんのことも、、ひさめさんのことも、大好きだよ。)


普段愛をあまり表に出せない私は、心の中でみんなに愛を伝えながら、どうしても滲んでしょうがない笑顔を浮かべて、結局更衣室の中で待っていてくれた3人の元に飛び込んでいった。




……やっぱり4人とも、愛あるんだよな。

他より愛の強いペアがいたとしても。

もちろん友だちに向ける愛だから、私としては少しばかり複雑な気持ちも残るのだけども。

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