第33話 腕に感じた違和感

はじめ円陣を組むとは知らず、指示を仰ぐためキャプテンひさめさんのすぐそばにいた私は、まずひさめさんに触れられる(触れることができる&触れてもらえる)ことに心の中で大歓喜。


そしてゆみがみんなに説明している円陣のやり方を聞いて、気付いた。


つまり私の左肩に手を乗せてくれるのはひさめさんってこと!?


嬉しい。嬉しすぎる。

私がひさめさんに触れることができるのももちろん嬉しいけど、ひさめさんに触れてもらえることの方がより嬉しい。


気のせいでもいい。

愛を感じられた気になりたいから。



そうしてなるべく表情に出さないようにしながら喜んでいたら、ふと右手の肘辺りに違和感を感じた。


私の右腕の下に重なるようにしてひさめさんの左腕が触れていた。

ほら早く腕出してって感じで。

そっと、優しく。



……いやそれは惚れるって。


私はひさめさんの左腕に自身の右腕を軽く持ち上げられ、自分でも腕を上げながらときめいてしまった。

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