第29話 イタズラっ子
ひさめさんが、ゆみと私の腕に自分の腕を滑り込ませ、軽く組みながら私たち2人に小走りを促したのだ。
私は左腕に質感を感じてから、控えめに言って大パニック。
もちろん、すみだんをその場に置いていき、置いてかないでよー!という返しを期待しての行動なのは分かってる。
それだって、同時にゆみも同じ状況にあるのだって、分かってるけど......
ひさめさんが私と腕を組んでる!?嘘でしょ!?
それからすぐすみだんが追いかけてきて、(予想通り置いてかないでよー!と言いながら笑)ひさめさんと腕を組めてたのは1分も無いくらい本当に一瞬だった。
でもその一瞬の出来事で、私の寿命はいくらか延びた気がする。
気持ち悪いとか言わないでほしいけど、今でもちょっと感覚は残ってる。
無理に力を入れるとかでもなく、ふわっと優しく軽くて、触れるだけより長く密着している感じ。
ひさめさんが何を思って私と腕を組んだのか、組んでいる間どう考えてたのか、それは本人にしか分かりえない。
でももし、勇気を出してくれたなら、欲を言えば私に触れたいと思ってくれたのなら、これ以上嬉しいことは無い。
まさに天にも上りそうな気持ちで、やっぱり私はひさめさんが好きなんだなって改めて感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます