第15話 幼馴染の恋人と私の失恋

そんなことがあったから、高1の探究合宿では、一緒に帰ろうと私が誘った。

一緒に帰る人いないんだろと茶化されはしたが、今年こそ告ってくれないかな、ダメそうなら私が告っちゃおうかなと思って駅で待ってたら、


花澤唯子はなさわゆいこちゃんと一緒に現れた。


りっちゃんがゆいこちゃんに手を振ってこちらにやってくるのを見て、私は察した。



あの2人、付き合ってんな



その後、平然として話しながら帰ったが、本人に確認しないと気が済まないなと思って、LINEした。


私「今日はわざわざゆいこちゃんと別れてまで、私と一緒に帰ってくれてありがとう」


りっちゃん「いえいえ」


私「変なこと聞いていい?」


りっちゃん「待って、当てる」

     「俺と花澤が付き合ってるのかってこと?」


私「何で分かったの!?すごいね」


りっちゃん「まぁ、雰囲気で分かるよ」


私「で、どうなの?」


りっちゃん「うみゅ」


私「そっか、ごめんね、私りっちゃんのこと好きだった」


りっちゃん「だろうね、何となく分かってた」



結果、玉粋。


好きでした発言するかどうかは悩んだんだけど、急にそんなこと気にするっていうのも不自然だし、最後に言っちゃってケリを付けようと思ったから、言った。

返信が来るまで、めっちゃハラハラした。


その後シャワーをしていた時に、失恋したんだから泣くだろうと思ったのに、一向に涙は出てこなくて、びっくりした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る