q01qq02
幻想休日
第1話「ふたりだけの告白」
「おはよう」
「ああ、」
「なんだ浮かない表情して」
「占いの結果が悪くてな」
「気を落とすな、今を生きろ」
「そうだな、ありがとう」
「プリンシェがあるから食べるか?」
「なんだそれ?」
「ああ、喫茶店とか行ったことない口だな」
「ミーハーじゃないからな」
「プリンシェはミートコーヒーのことだ」
「それでもわからないな・・・」
「ごめんごめん、説明するより見せたほうが早いな」
「そっちのほうが助かるよ」
「これだ」
「なんていうか・・・コーヒーフロートじゃないかこれ?」
「ああ、そういえば良かったな」
「でもどうやって温かいコーヒーの上にアイスが乗ってるんだ、溶けないか普通?」
「ああ、これは秘密があって、寒天凝縮っていうものだ」
「なんだそれ?」
「そうだな~。ドライアイスっていえばいいかな」
「あー、冷たすぎて、凝固してるってことか」
「そうそう、かまくらの中で火をつけても、溶けないみたいな」
「なるほどな~」
「美味しいからぜひ食べてみてよ」
「溶かして食べるべき?」
「そうだな、好きなように飲んで食べればいいよ」
「特に決まりはないのか」
「そうだね、たぶん、俺もそこまでは知らない」
「でも葉山は流行知っててすごいと思うよ」
「そうかな?」
「うん、葉山って、何でもできるってイメージが俺にはあるし」
「日田は抜けててかわいいよ」
「な。やめろよなー」
「なんだ褒め言葉だぞ」
「男にかわいいは、ちょっと変」
「そうかなー?」
「そうなの、特に俺の場合は」
「アハハ、ごめんごめん」
「じゃプリンシェ食べるから」
「はーい」
「うん、あたたかくて、溶かすとコーヒーがどんどんマイルドになるね」
「そう、だからミートコーヒーなんだよ」
「でもコーヒーフロートから、なんでミートコーヒーって名前に?」
「これはスターバクスター、愛称スタバで名づけられただけで、兼用語だよ」
「なんだ、やっぱりコーヒーフロートなんじゃんかー」
「まー人間と同じで、名前をつけてるんだよ」
「それ聞くと愛を感じるな」
「そう?」
「うん、」
「じゃあ、俺たちもなんか名づけるか」
「どういう展開だよそれ~」
「ほら、生活に愛を持ち寄る、もとい子を授かる、なんかよくない」
「やっぱ、葉山が流行に乗っていける理由がわかった」
「え?どういうこと?」
「すぐに真似しようみたいな、好奇心があるあたり」
「あー、俺の場合は、日々新しく、それが座右の銘なんだ」
「うん、なんかすごいな、俺そもそも座右の銘すらないもんな、」
「アハハ、でもそういうマイペースなところいいと思うよ」
「決めた、俺の座右の銘は、有頂天」
「詳しく」
「マイペースを漢字にしてみたら、こうなった」
「やっぱ日田、面白い」
「それは言われてうれしい」
「素直でかわいい」
「それはNG」
「アハハ、ごめんごめん」
「反省してないでしょ!」
「かわいいは本音だからなー、反省したら、逆に嘘ついたみたいになりそうで?」
「なんか哲学、難しい・・・」
「でも馬鹿にはしてないよ、俺、日田好きだし」
「え?」
「なんで動揺してるのさー」
「それって告白???」
「そう聞こえたの?」
「え?いや、だって好きって、それ、・・」
「日田~、どんだけお嬢様なの?」
「え?どういうこと?」
「ん~世間知らずってこと~、好きは告白だけにとどまらないの」
「つまりラブではなく、ライクってことか、恥ずかしい」
「でも日田、俺はお前でも問題ないぜ」
「なにいってるの!!!」
「冗談アハハ」
「まったくも~」
q01qq02 幻想休日 @q01qq02
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。q01qq02の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます