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幻想休日

第1話「ふたりだけの告白」

「おはよう」

「ああ、」

「なんだ浮かない表情して」

「占いの結果が悪くてな」

「気を落とすな、今を生きろ」

「そうだな、ありがとう」

「プリンシェがあるから食べるか?」

「なんだそれ?」

「ああ、喫茶店とか行ったことない口だな」

「ミーハーじゃないからな」

「プリンシェはミートコーヒーのことだ」

「それでもわからないな・・・」

「ごめんごめん、説明するより見せたほうが早いな」

「そっちのほうが助かるよ」

「これだ」

「なんていうか・・・コーヒーフロートじゃないかこれ?」

「ああ、そういえば良かったな」

「でもどうやって温かいコーヒーの上にアイスが乗ってるんだ、溶けないか普通?」

「ああ、これは秘密があって、寒天凝縮っていうものだ」

「なんだそれ?」

「そうだな~。ドライアイスっていえばいいかな」

「あー、冷たすぎて、凝固してるってことか」

「そうそう、かまくらの中で火をつけても、溶けないみたいな」

「なるほどな~」

「美味しいからぜひ食べてみてよ」

「溶かして食べるべき?」

「そうだな、好きなように飲んで食べればいいよ」

「特に決まりはないのか」

「そうだね、たぶん、俺もそこまでは知らない」

「でも葉山は流行知っててすごいと思うよ」

「そうかな?」

「うん、葉山って、何でもできるってイメージが俺にはあるし」

「日田は抜けててかわいいよ」

「な。やめろよなー」

「なんだ褒め言葉だぞ」

「男にかわいいは、ちょっと変」

「そうかなー?」

「そうなの、特に俺の場合は」

「アハハ、ごめんごめん」

「じゃプリンシェ食べるから」

「はーい」

「うん、あたたかくて、溶かすとコーヒーがどんどんマイルドになるね」

「そう、だからミートコーヒーなんだよ」

「でもコーヒーフロートから、なんでミートコーヒーって名前に?」

「これはスターバクスター、愛称スタバで名づけられただけで、兼用語だよ」

「なんだ、やっぱりコーヒーフロートなんじゃんかー」

「まー人間と同じで、名前をつけてるんだよ」

「それ聞くと愛を感じるな」

「そう?」

「うん、」

「じゃあ、俺たちもなんか名づけるか」

「どういう展開だよそれ~」

「ほら、生活に愛を持ち寄る、もとい子を授かる、なんかよくない」

「やっぱ、葉山が流行に乗っていける理由がわかった」

「え?どういうこと?」

「すぐに真似しようみたいな、好奇心があるあたり」

「あー、俺の場合は、日々新しく、それが座右の銘なんだ」

「うん、なんかすごいな、俺そもそも座右の銘すらないもんな、」

「アハハ、でもそういうマイペースなところいいと思うよ」

「決めた、俺の座右の銘は、有頂天」

「詳しく」

「マイペースを漢字にしてみたら、こうなった」

「やっぱ日田、面白い」

「それは言われてうれしい」

「素直でかわいい」

「それはNG」

「アハハ、ごめんごめん」

「反省してないでしょ!」

「かわいいは本音だからなー、反省したら、逆に嘘ついたみたいになりそうで?」

「なんか哲学、難しい・・・」

「でも馬鹿にはしてないよ、俺、日田好きだし」

「え?」

「なんで動揺してるのさー」

「それって告白???」

「そう聞こえたの?」

「え?いや、だって好きって、それ、・・」

「日田~、どんだけお嬢様なの?」

「え?どういうこと?」

「ん~世間知らずってこと~、好きは告白だけにとどまらないの」

「つまりラブではなく、ライクってことか、恥ずかしい」

「でも日田、俺はお前でも問題ないぜ」

「なにいってるの!!!」

「冗談アハハ」

「まったくも~」

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