第10話 水曜ですけどどうでしょう?
2023年8月30日水曜日。全日に強烈なアッパーキックを喰らった僕は痛む顎を擦りながら不機嫌な師匠に向き合う。
「ヴェネーラさん…」
「お師匠様か先生、女王様だろうがエロガキが。」
呼び方が気に入らなかったらしい。ビンタされた。
「先生だとエロい感じがしますし、お師匠様…はオネショタもののエロ同人ぽいですし、女王様は風俗店ぽくて…」
悶々とする思いをそのまま打ち明ける。
「僕はどうしたらいいのでしょう?」
「もう一回死んだ方が良さそうだな。」
魔法、魔女ってなんだっけ?って思うほどの強烈な右ストレートが左頬に刺さる。
首がモゲるかと思った。というかモゲたと脳が錯覚するほどの威力だった。
「とりあえずよぉ…服着ろや…いつまでその小せえナニ丸出しにしてんだ?」
不機嫌にもうひとりの僕の先端、ほんの数ミリ前に魔法の矢を落とすヴェネーラさん。
「こ、これは縮こまってるだけで…」
「フルの状態も見せてきただろうがこのエロガキ。」
容赦無い言葉にスンスンと泣いた。
「自信を持て僕…そしてマイサン…相手が超弩級の大艦巨砲主義なビッチなだけで、お前はビックマグナムだ。」
泣きながらパンツを履く僕は、
「誰がビッチだコリブリ!!」
股間を蹴り上げられた。
2.7mmの拳銃…
「そんなに小さくないやい…」
気絶しながらそう言い返した。
「学校もですけど、魔女の修行って何をするんですか?」
ジンジンと痛む股間に氷で冷やしながら、僕はカップ麺を啜りながらヴェネーラさんに聞く。
「決まってんだろ。魔法の使い方と魔力の制御を教えるだけだ。その先は知らねぇ、あとは全部お前の自己責任だ。」
冷凍の唐揚げを肴にハイボールをグビグビと飲みながら答える。
既に500mlのビール2本に冷酒5杯、ハイボール4杯を空けたヴェネーラさん。飲み過ぎなんじゃないだろうか?
「その魔法なんですが…」
「もう既に使ってるよ、お前。」
ジョッキに残ったハイボールを空け、ヴェネーラさんは僕に向けサディスティックに笑う。
「私相手だから無効化してるが、お前は常時魔法を使ってる。」
「えっ!?」
まさかの言葉に驚愕する僕。
「おい、おかわり。割合は7対3な。」
そんな僕の驚愕など無視し、空になったジョッキを差し出すヴェネーラさん。
「薄っ!!バカかお前!!ウィスキー7炭酸水3に決まってんだろうが!!」
おかわりを用意した僕は足蹴されながらお説教されていた。
「すぐに替えを作ってきます。」
「待て、勿体ねぇだろうが。」
ヴェネーラさんは、曰く薄いハイボールを文句言いながら飲み干し、僕に差し出す。
「結局飲むんですね。」
「SDGsが人間のトレンドだろ?」
多分都合良く解釈しているであろう師匠。
「ンァン!!」
氷増々でキンキンに冷えたジョッキ。垂れた結露した冷水が巨大な双丘に落ち、ビクッと一瞬震え、エロティックな声を漏らしながら、グビグビと飲み干すヴェネーラさん。あれから数え切れない程の量を空けている。
「これなら毎日飲んで欲しいですね。」
そう鼻の下を伸ばして眺める僕の頭にジョッキを置き、
「も〜いっぱい〜。」
へべれけになった師匠はトロンとした色っぽい顔言う。
「はい!よろこんで!!」
威勢よく応え、急いで次の一杯を作りに行く。
「ヴェネ焼酎がいい〜。」
ぐでぇとテーブルに突っ伏しながら台所にいる僕ヘ言うヴェネーラさん。
「はい、よろこんで!!」
すぐさまそう返す。
「暑くなってきたぁ〜。」
へべれけなヴェネーラさんが背中のブラホックに手を伸ばすのを僕は見逃さなかった。
さあ、待ちに待ったこの時が来ましたよ!!
「やっぱ寝る…」
ふらふらと自室に千鳥足で向うヴェネーラさん。
「神は乗り越えられない試練は与えないんじゃないんですか!?」
膝から崩れ落ちた僕は神を恨む。
「あ、でも、脱衣場にはまだお宝が眠っている!!」
「ちくしょう…許容範囲狭過ぎるでしょうが…」
モゲそうになった僕は洗濯籠を前に蹲った。
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