女③
そんな兄貴がライバル視していたのが「
どこで遊んでいても河原千晶の話を聞かないことはなかった。兄貴はそれが悔しかったらしい。河原千晶に近づいて、その鼻を明かすことを今か今かと企んでいたのだ。
「ねえ、孝人。
夜遊びを繰り返していたら、色んなヤツと知り合いになる。この女、
香織自身それを理解しているのか、男を誘うような胸の谷間を強調した洋服を着ている。スカートだってお尻の形が分かるほどピッチピチで短い。
「嫌だよ」
「えー。そうやっていつも断るじゃん。いつになったら、私とエッチしてくれるの?」
香織は会うたびに、俺に誘い文句をかけてくる。その誘いに応じたことはただの一度もない。確かに香織は妖艶だ。だけど同級生になんの魅力も感じない。同じ年のヤツとしたって、物足りないだけだ。
「お前がもっと、数こなしたらじゃね?どっちにしろ、今のお前とヤッても物足りねぇし」
「そんなのヤッてみなきゃ分かんないじゃない~」
香織はそう言いながら、俺の腕に絡んで来た。意図的に胸を押し付けてくる。普通の男子中学生なら、これだけで応じるものだろう。
「言っとくけど俺、すごいよ?」
「っ!」
そんな香織をいなすために怪しく微笑みかけてみた。たったそれだけで香織は赤面する。……これは当分、香織とはできないな。
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