第19話「転・クライマックススキル」
「クライマックススキル?」
テクテクと練り歩いていたら、街中で【スーパーランク】のプレイヤーと話が出来たので、聞いていたら、また何か知らん謎スキルの話が出てきた。
「おう。スロットの中で、たった1つしかセットできないスキル。それが〈クライマックススキル〉だ、簡単に言うと必殺技だな」
「なるほどつまり秘奥義か!」
ビルドの中でド派手なエフェクトの技の連続攻撃をイメージした。
「あるゲームをきっと想像してるんだろうけど、たぶん惜しい、それじゃない」
「え?♀」
デストロイもビルドと同じものをイメージしていたので、呆然とする。
「その〈クライマックススキル〉てのは、個々人でルールごと決められるんだ。ポ○モンで言うと、メ○進化・ゼ○ト技・ダ○マックスス・テ○スタル……皆、発動条件やルールが違うだろ? だから、攻撃技だけじゃないんだ」
「へー……ルールごと決められる、固有結界や領域展開みたいな?」
「そういう〈クライマックススキル〉をセットするプレイヤーも居るし、それらを打ち消すスキルをやる奴もいる。ま、共通することと言えば、皆〈インフレする〉て事かな~……」
冒険者プレイヤーが大空を見上げる。空には雲しか無いが……。
「そんなスキル何個もストックできるのか?」
「いや出来ない、1つ作ったら昔のスキルは破棄しなきゃならないな、そういう意味では結構リスク重いかもしれない。そしてクライマックススキルはこのゲーム世界でただ一つじゃないといけないルールがある。同じ能力・文面を持ってるプレイヤーは居ちゃいけないんだ」
皆が皆、違うクライマックススキルを持っている。しかし、ルールを作れるルールがクライマックススキルと言うのは解ったが、イマイチピンとこない2人の初心者プレイヤーだ。そして疑問が1つ浮かび上がる。
「それが本当なら、この世界に居る一人ひとりにクライマックススキルがあって、このオープンワールドはカオスにならねーか?」
だから制限がある、というスーパーランクプレイヤー。
「使用できるのは〈1日1回〉しかも〈1ギルド1プレイヤーだけ〉なんだよコレ! まさに必殺! 奥の手! 戦局が引っくり返る大技!」
「なるほど、集団戦専用の大技か」
じゃあそれは、基本レイド戦や、戦争系ゲームに発展した時の奴何だろうなと勝手に妄想を膨らませるビルド。
「でも具体例を出されないと、イメージできないぜ♀」
確かにその通りだな、と思うビルドだった。
「あと仮に1つのクライマックススキルを教えられても比較対象がないから解んない、4つぐらい代表的なの教えて」
と、言われて呆れるスーパーランクプレイヤーは街中で教える。
「いいぜ、じゃあ知らなかったじゃ済まされない。〈
「そうなのか? てか〈
「それすらも解らなじぇ……♀」
そこからか……と、ため息をされるスーパーランク。肩の力がどっと抜ける。
「まて! まずこの世界で知らなきゃいけない最大最強ギルドが4つある、ギルド『
「あ! 放課後クラブ……て!」
「まてまて! 話の続きだ! クライマックススキルを持ってるプレイヤーはその中で4人だけ!
「げ! 天上院咲!?」
「さっきまで一緒に話してたじゃん!?♀」
「まてまてまて! 話の続きだ! そいつ等の持ってるクライマックススキルの話を俺はしてるんだよ!」
「そうだった!」
「……だった♀」
「で、今回は名前だけでも覚えて帰ってくれ、もう俺の時間が無い! 戦空のクライマックススキル名は〈
そう言われて、スーパークラスはトイレ休憩か何かでログアウトした。
残された2人には、そう、サキの顔しか思い浮かべなかった。知らない事が山程出てきたからだ。これはそう、うん……。
「サキっちに聞かないと解らないね♀」
「だな……フレンド申請してたっけ?」
ビルドはステータスバーをいじくると、ソコにはフレンド登録していたサキの文字があった。
「まだランクバトルも、街のお外のクエストもやってないんだけど……?♀」
「でも知らないと恥かきそうな雰囲気だったし……本人から教えてもらおうか」
そうする他、道は無さそうであった。
そして、ビルドは知り合いにに対してメールを送った。
《おいサキ、この世界で何やった……?》
「ケケケ、第2回チュートリアルかな?♀」
それはちょっと困るけど、この世界の世界観だとしたら、それはそれで問題だな。
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