第25話 考えと同行
昨日の二人組が逃げた後、俺たちは直ぐに城に帰ってきた。出発した時と雰囲気が違ったのか、ティーナさんやメイガスさんが心配してきたがマスターが
「初めての戦闘で疲れたみたいですのでそっとしてやってください。」
とかばってくれた。その一言でアイリスさん達もくることはなかった。一晩中ご飯も食べずにずっと考えていたが、答えは出なかった。俺は違う世界に来たということをやっと実感していた。戦う理由、相手を殺さなきゃ生き残れない世界。...俺はこの世界で、
「ねえねえ。」
とずっと考えていたら突然声をかけられた。ばっとそちらを見るとクロア君が心配そうに俺を見ていた。その後ろではアイリスさん達やマスターもこちらを見ている。朝からずっと考え込んでいてとりあえずマスターの後ろをついて行っていたらいつの間にかクロア君たちと合流していたようだ。
「あ、ああ。大丈夫だよ。」
自分でもわかるくらいぎこちない笑顔をして返す。
「そう?ならいいけど...。」
「なんだぁ?疲れてんのかぁ?」
「うーん、大丈夫ならいいけどねぇー。」
「...そうだねぇ。」
三者三葉のリアクションをしてくる鬼達。ぎこちないのはばれていないみたいだ。
「さて、今日はこのメンバーで一緒に行こうか。」
「かまいませんけど、なぜです?他のチームも昨日より多い人数で出向いていたようですが。」
「ああ、姫達は気付いたかい?昨日地響きが多くあったんだ。」
「...ありましたっけ?」
「いえ。あったことすら気が付きませんでした。」
「んんー、場所によって違ったのかな?ともかくその後魔獣が強くなるし、地割れは起きるしでどこも大変だったんだ。」
「だから大人数で対処していこうってわけ!いやー、私的には姫と一緒に慣れて良かったけどね!」
そういいながらサリヤに抱きつくニーナさん。ほんとに大好きなんだな。
「では向かおうか!我々の戦いへ!」
どこかに向けて指をさすアイリスさん。その後ろではニーナさんとクロア君がおーー!と拳を挙げている。姉弟仲も凄いな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます