神語り/FGO考察

C-take

テーマ:災害

 FGOには英雄、神霊、妖怪など、世界各国の様々な逸話からキャラクターが登場しているが、今回は災害にまつわる逸話から、今後実装される可能性があるサーヴァントの考察をしてみようと思う。


 日本で災害と言えば、真っ先に思い浮かぶのは「地震」であろう。


 古来、日本人はあらゆるものを神格化し、世界とは一線を画する神話体系を築いて来た訳だが、地震もまた、かつては神様の起こすものだと考えられてきた。


 日本神話において有名な地震の神といえばスサノヲなのだが、スサノヲは元々海の神様。しかし、スサノヲに関する記述を探っていくと、地震というものに非常に縁が深い神様であることがわかる。


 スサノヲといえば、父はイザナギ、母はイザナミ、姉にアマテラスを持つ男神。母イザナミがお産の時になくなってしまい、母恋しさに、姉であるアマテラスに甘えようとしたスサノヲは、姉のいる天の昇ろうとして「国土を揺らした」という記述があるという。このような力を持ったスサノヲが地震を司る神として認知されるのは当然のことだろう。


 さて話は変るが、『ジャックと豆の木』という物語に出てくる巨人が持つ宝物に、ハーブ=琴が存在する。巨人が一番大切にしているこの琴をジャックが盗んだ際、自然と琴がなったことで巨人が目を覚まし、ジャックは巨人に追いかけられる羽目になるのだが、似たような話が、スサノヲのエピソードにも存在するのだ。


 スサノヲの逸話における琴は、鳴らすと地面が揺れるという、まさしくスサノヲの権能を体現したかのような宝物なのだが、ある時兄たちに苛められた「オオナムチ(大国主オオクニヌシの別名)」が「根の国(地下の国)」に逃げ込んだ際、スサノヲの娘であるスセリ姫と恋に落ち、二人で根の国を抜け出そうと画策。スサノヲが寝ている隙にオオナムチは宝物である琴を盗み、スセリ姫をおぶって、駆け出したらしい。その際、庭の木の枝に琴が引っかかって音がなってしまい、飛び起きたスサノヲに、オオナムチは追いかけられたそう。


 このあと、オオナムチはスサノヲから娘であるスセリ姫と琴を託され「大国主オオクニヌシ」と名を変えて、地上の国を治めることとなった。


 日本神話における神様の名について、「な・ナ」は「大地・地」を意味しているという記述がある。細かな土を「スナ」と呼んだり、赤土を「ヘナ」と呼ぶのも、同じ由来とのこと。


 神名におけるムチは「尊い」と言う意味らしいので、「オオナムチ」という名前は「大地の尊い神様」という意味になるそう。『万葉集』には、このオオナムチが山を作ったという和歌が記されているらしいが、それだけ大きな力を持った存在であったという証明だろう。一方で、オオナムチが地震を引き起こす神であるという証拠はないそうだが、スサノヲから琴を託されているので、充分に可能性はありそうだ。


 ちなみに、海外においても、海と地震を司る神様が存在する。これがギリシャ神話のポセイドンだ。実はこのポセイドン、馬との関わりも深く、競馬の守護神にもなっているらしい。 


 さて、だいぶ回り道をしてしまったが、FGOの話に戻ろう。


 日本を発祥とするサーヴァントは、現段階で多く存在しているものの、日本神話に関しては、今まであまり触れられて来なかった。


 サムライレムナントコラボで、日本神話から「ヤマトタケル」がFGOに実装されたが、これ移行、日本神話から有名どころの神様がFGOに実装されるかどうか。


 例えば先に挙げた「スサノヲ」だが、もしサーヴァントとして実装されることになったら胸が熱くなる人は多かろう。さぞ財布の紐も緩くなることと思われる。しかし、実際のところ、スサノヲ実装はありえるのか。


 著者のC-takeしーたけは多いにあり得ると考えている。「ポセイドンとキャラ被るだろ!」という声が挙がることも想定はした。しかし、非常に似通った逸話を持つ「ジークフリート」と「シグルド」、関係性が近い「源頼光」と「丑午前」、「酒呑童子」と「伊吹童子」が併せて実装されている現状を考えれば、そもそも神話が異なるポセイドンとスサノヲの両立は可能であろう。


 日本神話に着目した理由は他にもある。これまでFGOは世界中の様々な神話を基にしたエピソードを扱って来たが、日本神話についてがっつりと踏み込んだエピソードは存在しない。現在はオーディールコールが最新シナリオとして進行中な訳だが、どこかの段階で日本神話を基盤としたエピソードが挟まれてもおかしくはないのではないか。そう思っている。


 一応お伝えしておくが、以上に表記したことはあくまで個人的な見解であり、考察としての精度は度外視しているので注意していただきたい。

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