異世界転移でフリーダム ~変態でごめんね~
爆進王
第1話 変態、転移する
「む、胸が苦しい…」
何の前触れもなかった。心不全により、俺は42年間の少し短い人生を終えた。
生前は22歳の時から死ぬまで、私立の女子高で国語の教師をしていた。残念ながら独身ではあったが、誤解のない様に言っておくが、生徒には一度たりとも手を出してはいない。頭の中では激ヤバな想像、妄想はしていたが…。現実には何もなかった、出来なかった。
勤務していた女子高は今では珍しいブルマを採用していた。紺ブルマ…これがヤバい!!今どきの女子高生はすでに大人の体をしている。しかも女子高という事で異性への意識が低く、ガードが緩く隙だらけだった。
真っ白な太ももにプリプリのお尻が数百人も…。ある意味、天国でもあり、地獄でもあった。
「やだぁ~!!先生。今、お尻を見ていたでしょう!!」
笑いながら俺をからかってくる生徒。
「今日の下着検査は先生に検査して欲しいの」
上目遣いで誘惑してくる生徒。
「今日は暑いので、ブルマのままで授業を受けていいですか?」
そう言って、一番前の席で足を組み替えたり、大股を開いて見せて挑発してくる生徒も…。
しかし生徒に手を出すわけにもいかず、鬱屈した欲望は溜まっていく。
正直、俺の欲望は爆発寸前であったが、突然終焉を迎えた。
「…良かった。これで良い先生のままで終われる」
俺が最後に呟いた言葉。この言葉を最後に俺は息を引き取った。
ぷかぷかと水に浮かんでいるような感覚。
何も考えずに『ぼう~』としていると声が聞こえた。
「お主、異世界に転移してみないか?」
声のする方向に顔を向けようとするが…俺の体は無かった。あるのは意識だけ…。
「良い良い。そのまま、そのまま。お主には、わしの姿は見えないのじゃ。そのまま、意識だけで会話ができるぞ」
俺は恐る恐る答える。
「あ、あなたは?」
「わしは…神と呼ばれておる」
「か、神様!?」
「良い良い。ただ、あまり時間が無い。簡単に言うと…わしが新しく作ったスキルを持って、異世界に転移してもらいたいのじゃよ。要するに『わしの新しく作ったスキルの実験台になれ』と言っているのじゃ!!もし成功したならば、お主は異世界で思いのままに生きていけるのじゃ」
「じ、実験台!?い、異世界に転移!?何故!?」
「せっかく新しくスキルを作ったのじゃ。誰かに与えて使ってもらいたいと思っただけじゃよ。時間が無い。異世界に転移するか、無になるか、決めよ」
「む、無に!?って、転移します!!」
「良し!!では、スキルを付与した。行ってまいれ!!」
「ちょっと待ってください。か、神様!?そのスキルというのは?」
「ふふふっ、漢字じゃよ。漢字を複数思い浮かべれば、漢字の意味の通りの効果が期待できる。どうじゃ!!凄いスキルじゃろう!!今回は自信作じゃ!!」
俺は『今回は』と『もし成功したならば』という言葉に不安を覚えたが、無になるよりは良いだろう。受け入れるしかない。
ただ、詳しくスキルの内容を把握しておきたい。
「四文字熟語的なもの、という認識でよろしいのですか?」
俺は確認の為に聞くが
「そんな難しく考える必要はないのじゃ。ただ意味の分かる漢字の組み合わせとイメージで、スキルが発動するのじゃよ。二文字でも、五文字でも良し。もちろん四文字熟語でも良しじゃ。これは簡単で汎用性がある夢のスキルなのじゃ!!最高傑作なのじゃ!!では、行ってまいれ!!」
「まだ、聞きたい事が…」
神様は俺の言葉を無視して、サッサと俺を転移させたのであった。
どのくらい意識を失っていたのか…。俺は森の中で倒れるように寝ていた様だった。
意識を取り戻してすぐに起き上がったが、普段よりも体が軽かった。
「…あっ!?俺、死んで異世界に転移をしたんだった」
突然、頭の中に文字が浮かび上がった。
ツバサ 男 16歳 魔力50
戦闘力C 政治力C 生産力C
統率力C 魔法力C 人間力C
スキル 漢字
「な…なんじゃこりゃあ!?ツバサって誰やねん!!16歳って!?」
俺は少しパニックになり、大きな声を出すが
「れ、冷静に、冷静になれ!!」
と、自分自身に言い聞かす。
この様に周りの情報が何もない場合は、パニックになるのが一番恐いのだ。
俺は冷静さを取り戻し、もう一度、頭に浮かんできた情報を確かめる。
(ツバサ…これが異世界での俺の名前か。しかし16歳とは…。道理で体が軽いはずですわ。でも、異世界に来ておっさんから始めるよりも断然良いな)
俺は『ふっ』と思いつき、股間を触って確かめる。
(良かった。ちゃんと付いているな。しかも結構立派じゃないか!!)
確認をし『ホッ』と一息をつく。
そして俺は『ニヤリッ』と笑みを浮かべながら考える。
(確か神様が言っていたよなぁ。このスキルを使えば、異世界で思いのままに生きていけると…。まあ、この新しく作ったスキルが成功したならばという事だけど…。ふふふっ、頼むよ神様!!前世で溜まった欲望をぶちまけさせてくれよ!!)
俺は神様に頼みつつ、情報を精査する。
(おそらくは…この頭に浮かび上がってきた情報が、この世界では重要という事なのだろう)
見慣れない言葉がある。
(…魔力か。数値があるという事は、高い方が良いのだろう)
目を閉じてしばらく考える。
「試してみる価値はある!!俺の体に宿りし魔力よ増えよ…無限魔力!!」
何も起こらない…が、一応、確認をする。
ツバサ 男 16歳 魔力無限
戦闘力C 政治力C 生産力C
統率力C 魔法力C 人間力C
スキル 漢字(無限魔力)
「ふっ、ふっはははっ!!簡単じゃないか!!スキル『漢字』最高かよ!!」
俺は一人、大笑いをするが、笑ってばかりはいられない。ここがどういう世界であるか、全く分からないのだ。いきなり凶暴な動物に襲われて死んでしまいましたでは笑えない。
「まあ、強さを求めるなら…これしかない!!一騎当千!!」
確認っと…。
ツバサ 男 16歳 魔力無限
戦闘力S 政治力C 生産力C
統率力D 魔法力C 人間力C
スキル 漢字(無限魔力 一騎当千)
(良し。これで一安心。って、統率力が下がったよ。まあ、今は統率力なんて関係ないか…一人だしな)
俺は異世界で待ち受けている未来に期待をしつつ、身軽になった16歳の体で駆け出したのだった。
【女子生徒達の会話】
「先生はいい人だったよね」
「私は好きだったよ。顔は普通でイケおじでは無かったけど、優しかったし面倒見も良かったから…だから本当に残念」
「ずっと女子高で先生をしていたんでしょ?いろいろと溜まってたんじゃ…」
「あり得る、独身だったし…」
「私、先生の腕にわざと胸を押し付けていたんだけど、悪い事しちゃったかな」
「えぇ…実は私も…。一番前の席でパンツが見えるくらいにスカートをたくし上げて…からかったりしてた」
「でも先生も私達がブルマの時、お尻を見ていたような」
「えぇ~、本当!?」
「あぁ、分かる!!私はその視線を感じた事があるかも…」
「でしょう!!絶対に見てた!!お尻を」
「えぇ~嫌だぁ~!!」
「意外とブルマフェチだったりとか?」
「あり得る。おじさんはブルマが好きって聞いた事があるし…」
「心不全で亡くなってしまうなら、少しくらい触らせてあげたら良かったのに…私は嫌だけどね」
「それは断る!!」
「私も無いわ」
「それは無い!!」
「大丈夫よ…きっと先生は今頃、異世界に転移をしているわ。そして強力なスキルを付与してもらい、溜まっていた性欲を発散している事でしょう」
『あはははっ、Web小説の読みすぎだよ』
俺が教えていた生徒の会話だが、二、三日を過ぎると完全に忘れ去られてしまうのであった。
---あとがき
本番行為は書きませんので、大丈夫だと思うのですが…。エロ最強の主人公で書き始めました。
書き溜めていないので、毎日更新はありません。一、二週間に一回の更新ができればと思っていますので、気長に待ってもらえると幸いです。
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