叔母の死

 夢は人に話すと正夢にならない。そう聞いたから、わたしは叔母が死ぬ夢のことを誰にも話さず黙っていた。

 夢を見た三日後、わたしは母親から、健診で叔母にガンが見つかったことを知らされた。そのガンはあっという間に全身に転移して、叔母はその一ヶ月後に亡くなった。

 葬式のあと、わたしは叔母からの手紙を、まだ小学校に上がったばかりの叔母の娘から受け取った。

「入院中に夢を見ました。あなたが私と同じガンにかかってしまう夢です。でも幸いなことに、あなたの試した最後の抗がん剤が驚くほどよく効いて、あなたは命をとりとめました。私はほっとしました。あなたには、幼い子供をあとに残して無念のまま去っていく私の分も、どうか長く生きてほしいのです」

 その三日後の健診で、わたしはガンであることが判明した。

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