叔母の死
夢は人に話すと正夢にならない。そう聞いたから、わたしは叔母が死ぬ夢のことを誰にも話さず黙っていた。
翌日、わたしは叔母がガンであることを知らされた。そのガンはあっという間に全身に転移して、一ヶ月後に叔母は亡くなった。
葬式のあと、まだ小学校に上がったばかりの叔母の娘からわたしは叔母の手紙を手渡された。
「入院中に夢を見ました。あなたが私と同じガンにかかってしまう夢です。でも幸いなことに、あなたの試した最後の抗がん剤が驚くほどよく効いて、あなたは命をとりとめました。私はほっとしました。あなたには、幼い子供をあとに残して無念に去っていく私の分も、どうか長く生きていてほしいのです」
そのすぐあとに受けた健診で、わたしはガンであることが判明した。
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