『NEET LIFE』〜現実逃避してゲーム界隈で生きることを決意したヒキニート……気がつけば現実でも無双していました〜

NEET駅前

第一章 第1話:結論から言うと、新戸初音は昔からお兄ちゃんのことが好きなのである。

 ピンポ〜ン♪


「こんちは〜! ○前館で〜す」


「あ、はーい」


 俺の名前は、新戸達人あらとたつひと――何処にでもいる自称ナイスガイで中肉中背の今年23歳を迎える引きこもりのニートだ。


「ありがとうございました〜」


 頼んでいたピザとコーラを受け取った俺は、それを冷房のガンガン効いた部屋に運ぶと、ベッド横のサイドテーブルに置いた。


「スマホよし! ピザよし! コーラよし!それから、エアコンのリモコンよし! さぁ……至高のニートタイムの始まりだ!」


 それらの配置を全て確認し終えた俺は、流れるように鉄製のベッド目掛けて格好良くダイブしようとした…のだが。


「あっ!」


 助走が足りなかったのか、誤って、ベッドのフレームに右の脛を強く打ち付けてしまった……。


「ぐぁぁあぁあぁぁあぁあ! 痛ぇえ! 弁慶の泣き所! マジ痛ぇえ!」


 結果。俺は半泣き状態になりながらも自室のフローリングをゴロゴロとのたうち回ることとなってしまった。


「ぐぅ……」


 俺はなんとか右脛の痛みに耐えながら、齢い80歳くらいのおじいちゃんと同じような動作と速度でヨロヨロと床から起き上がる。いや、もしかしたら90歳くらいだったかもしれない。


 え? そもそもなんで俺が、NEET LIFEニート ライフを送れているのかだって?


 正直、その件についてはあまり触れられたくはないのだが……これを話しておかないと物語が進まないので致し方ない。


 それは、5年ほど前に会社経営をしていた義父からある程度のまとまった小遣いを頂いたからだ、ちなみに義父とはそれっきり一度も会っていない……と言うかむしろごめんだ。


 俺達を捨てて勝手に出て行きやがったあのクソ野郎のことなんか…。


 まぁ、そのお金も今、殆ど底をついて来ているのでそろそろマジで働かないといけない訳なのだが……はっきり言ってマジで働きたくねぇ!!


 出来ることなら、このまま一生快適なNEET LIFEを送りたい。


「……はぁ〜」


 俺は溜め息を吐きながらベッドにダイブすることを諦め、渋々ベッドに腰を掛けた。


 今思うと、俺は学生の時に受けたトラウマがあるが故に、今こうして社会で働くことに対して抵抗があるのかもしれない。


 当時の事を思い出すたびに、色々と複雑な感情が芽生えて来やがる。


「過ぎたこと考えていても仕方がねぇよな……」


 俺はそんなどんよりとした暗い気持ちすらも吹っ飛ばす程にキンキンに冷えたコーラを一口飲んではゆっくりとベッドから立ち上がった。


「……久々に、『RNO』でもやるか」


『RNO』とは、今世界中で話題になっているゲーム用ソフトRNOラグナロクオンラインの略称の事で、今から5年ほど前に登場した、フルダイブ型対応のVRMMOソフトのことである。


 実はこのソフト、元から今のように大人気ソフトというわけではなかったようで、出た当初はその攻略難易度の難しさから売り上げも思うように伸びず、世間ではクソゲーなんて呼ばれては世間からすっかり忘れさられていた時代もあったほどなのだが……5年の月日が経った今現在、世界で1番影響力のあるサイトで「今! 最もアツいVRMMO!!」と言うタイトルの記事で取り上げられると同時に、世界中で波乱を呼んでいるらしいのだ。


 何故、5年前にクソゲー認定されていたゲームが5年の月日が経った今になって、急に世間から注目を浴びることになったのか、俺は少し気になったので調べてみた。


 すると。このソフトが世間で取り上げられ出したその理由として、1番有力視されていたのは、『有名アイドル』によるCMや広告等が増えたことが原因だとかなんとか、俺が見たネットの記事にはその様に書かれていた。詳しくは知らない。


 俺はゲームの配線を繋ぎ終えると、テーブルに運んだピザの箱を開けてはそれをつまみ始める。


 俺はこのソフトがクソゲー認定されていた時からずっとやっていたので、今年に入ってRNO歴は5年目と言うことになる。あと、因みに俺の現時点でのRNOの進捗状況はというと、ほぼ全クリしているようなものなので、ここ最近は放置気味だった。あ、因みにニート歴も今年で5年目を迎えた。その事実に最近、ガチで危機感を覚えてきている自分がいる。


 俺がピザを食べ終え、始動前に再びコーラに手を掛けようとした、その時だった。


 ドンドンッ!! ドンドンッ!!


 突然、俺の部屋のドアが「ミシミシッ」と音を立てると共に部屋の家具が大きく揺れた。


 誰かが俺の部屋のドアを叩いたのだ。


 俺の部屋のドアは、比較的薄い構造なので、“通常”であれば「コンコンッ」と軽く叩けば、中にいる者は自ずと気づくくらいの厚さではある。


 しかし、中にいる者がVRモノをやっていた場合だと、「通常」とはそれは大きく異なってくる。それは、実際にVRモノを起動していた場合だと意識がかなりゲームに向いている為、大きな音じゃないと気づけない事があるからだ。


 その為、家族には俺の部屋に用がある場合は、でドアを叩くように! と、前もって指示していたのだが……これはあまりにも強すぎる。


 だって!「ミシミシッ」て言ったし!


 ったく。アイツ……。


 俺はドアの向こうにいる人物が誰かを特定することが出来たので、「やれやれ……」と重たい腰をあげてはドアの方へと向かった。


 to be continued……。


 ♢


皆さん!こんにちは! 僕は自称AIラノベ作家こと、“NEET駅前”と申します! 皆さんの応援が本当に励みになっております!


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今後とも皆様方の応援、どうぞよろしくお願いいたします!

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