第99話結界と婚約

 翌朝の、朝食を可愛い虎耳ウエイトレスさんが、席に着いた俺達に運んできてくれる。


 白いご飯と、ハムエッグと俺の大好きなクラムチャウダーで美味しかった。


 裏の修練場で5つの型からの、素振りをやっていると左でドムもライラも素振りを始めていて、リョウも前後左右に高速移動する訓練をしている。


 右ではシスターリリーが、フランとマリアに体術の型の指導と、体の使い方と組手を教えていた。


 大広間に呼ばれて、女王陛下とミローラさんと、仙人の長老と四天王達にどうか、聖女様に結界を張って下さいと頼まれる。


「では、あたいマリアが結界をブガン町の全体に張りますね」


「ホーリーハイドーム」


 ブガン町全体を、光が包むみミローラさんが確かに、王都全体に結界が張られた模様ですと言う。


「女王陛下と長老、今のあたいのレベルだと魔物と魔族と悪しき種族を。阻むこの結界は50年ってところです」


「これで、我々仙人も魔のもの達に十分反撃が出来る。聖女マリアにわしは感謝するぞ」


 仙人の長老の言葉を聞き、安心したように床に倒れるマリアに、フランが近づきマジックポーションを飲ますが、できたらベットに寝かせてやりたいんですがと、お願いすると四天王のジンさんが、扉を開け弟子の女性達を呼んだ。


 集まってきた、女性のお弟子さん達にジンさんが聖女様を一番良い客間で、寝かせるように指示をするとが女性のお弟子さん達が、抱えて連れて行くのでフランとライラと、シスターリリーもついていってしまう。


 俺とドムとリョウは、自分の客間に戻り魔物図鑑や解体図鑑を読んでいると、ドアがノックされてフローリ様が訪ねてきたので、女一人で男の部屋にくるとは危ないですよと言った。


「アームごときヘタレに、わしが何とかされると思うのか。それにフロールも一緒じゃ」


「女王陛下と、一緒とは失礼しました」


〖フローリ様に、何かしようとは100年早いですよ〗


「わしも、そう思うが100年経っても。無理だと思うがな」


 フローリ様だけでなく、リョウやドムにまで何もしてないのに、酷いことを言われて涙で枕を濡らそうとすると、二人の女性を立たせておいて自分だけベットに、行くとは良い度胸だと怒られた。


 慌てて、椅子を2つ出してお二人にお座りいただくことにして、わざわざ来られて御用は何でしょうかと丁寧に聞く。


「まっ、家族会議のようなものじゃよ。のうフロール」


「そうですねお母様、フランの意を決した結婚の告白に、アームのヘタレがお付き合いからと。答えたのです」


「俺は、精一杯フランを傷つけないようにと。答えたのにあんまりです」


「なんじゃ、お前もフランの事が好きなんじゃろ。男なら婚約ぐらいするのじゃ」


「私もそう思います、お母様の言う通り婚約指輪を贈りなさいね。妹が知ったらヘタレと言ってす巻きもんです」


 あっ、この世界でもす巻きって言葉があるんだと思い、フローリ様一族って怖いと心底思ったが、ヘタレって女王陛下からも言われて、凄くショックで泣きたくなった。


「でも、この町に結婚指輪を売ってる。アクセサリー屋なんてあるんですか」


「この仙人の町じゃから、婚約指輪を売る店があるんじゃよ。婚約者がいる者は仙人にしないからな」


「昼食後に、早速買いに行きなさいね。女王命令です」


 なんだよ、家族会議って言っておきながら、最後は女王命令って><ひどすぎるよ!


 フローリ様の、目がギラリとひかりなんかアームが言いたそうに、感じるのう殺さないから話して見なさいと、言われたので力を振り絞って言ってやった。


「おおせにしたがいます」


〖ご主人様に、一言をこのヘタレ〗


 そんなこんなで、昼食の時間になり大食堂に行くと、マリアも元気に席に座っていたし、皆に可愛い猫耳ウエイトレスさんが、料理を運んできてくれる。


 親子丼と、お味噌汁にお新香がついていて、親子丼の卵がトロトロでとても美味しかった。


 俺は、買いたいものがあるのでフランとアクセサリー屋に行くけれど、皆はどうするか聞くと女性陣はピーンときたらしく、ついて行くと言ったが意外な事にドムも見に行くと答える。


 可愛い猫耳ウエイトレスさんに、銀貨3枚を渡してアクセサリー屋の場所を、リョウに説明してもらってその先導で、アクセサリー屋に向かった。


 店内に入ると、綺麗な兎耳の店員さんがいてプレゼントですか、ご自身用ですかと聞かれたのでフランを前に出して、この娘に合う婚約指輪を金貨20000枚で選んで下さいと、答えるとフランが顔を真っ赤にして涙ぐむ。


「この指輪は、当店でも自慢の商品になります」 


「フラン、この指輪を婚約の証に受け取ってくれ」


「はい、嬉しいです」


 やった、あのヘタレのアームがとうとうやったよと、青いつばさのメンバーが皆が喜び合った。


 リョウの先導で、寺院に帰るとフローリ様や女王陛下やミローラさんや、キャプテンエレナにキャプテンハルクが、広間で待っていたので婚約しましたと言うと、よくやった今夜は宴会だと喜ばれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る