第97話ギリギリの戦闘
まわりの、戦況を見渡すと女王陛下もキャプテンエレナも、押され気味で負傷しながら戦っていたが、回復魔法でなんとか持たせていた。
「私と、女王陛下は必ず逆転してみせる。それより賢者ミローラを頼む」
キャプテンエレナに、言われて賢者ミローラの所を見た瞬間に、眩い光が見え遠くにドルンガの3倍はある、リョウの姿が現れる。
〖ご主人様、僕が巨大化したからには。後15分はこちらは大丈夫です。ご安心ください〗
「リョウよ、頼んだぞ後しばらくの間。耐えてくれ」
1番危なかったのは、ドムとマリアとライラであり、Aランク魔族10数体に囲まれて苦戦を、強いられて危なくみえたが。
ライラが、挑発で引き付け5体を纏め、ドムが烈火斬で更にまとめ上げた所に、マリアがホーリーレーザーを打ち込み5体を葬った。
しかし、それがいけなかった残った、Aランク魔族達が口々に聖女を見つけたと、叫び周りに伝える。
「聖女を見つけた、第2陣も出撃だ必ず殺せ」
女王陛下と、戦っていたSランク魔族がそう言うと、沖の方からシードラゴンに乗った、魔族達が襲ってくる。
Sランク魔族が、2体とAランク魔族が数10体であったが、今ここでの敵の増援は致命的に思われ、俺とフランも死を覚悟せざる得なかった。
「俺が、フランは絶対守る最後まであきらめるな」
「嬉しけど、2人で聖女のマリアだけは守らないと」
そのとき、フェニが突然帰って来て途中で見かけたので、此処まで誘導してきましたと伝えてくる。
「間に合ったようじゃのう、あとはわしたちに任せておけ」
懐かしいくも、頼もしい声であった巨大な5本のアイストルネードが、Sランク魔族2体とAランク魔族数10体とシードラゴンと、共に空中に吸い上げてしまった。
その直後、巨大な武装重帆船が突っ込んできて、キャプテンハルクと大賢者フローリ様と、フランド国近衛兵長ザインさんと近衛兵5人が、乗り移って来て戦況を見まわし判断する。
キャプテンハルクは、女王陛下とキャプテンエレナを助けること、ザインは近衛兵と共に賢者ミローラを助ける様にと、フローリ様が指示し自分はアイストルネードで落ちてきて、生き残っていた魔族をやると言う。
「俺とフランは、マリア達に襲い掛かる7体の。Aランク魔族を倒します」
「ならば、助っ人を連れて行くといいのじゃ。パーティー登録をしてやってくれ」
フローリ様が、そう言うと巨大な武装重帆船から、動きやすく改良されたシスター服の、シスターリリーが飛び出してきて拳を構えて久しぶりね、Aランク冒険者になったから貴方達を助けるわ、よろしくねと挨拶された。
ちょっと驚いたが、ステータスオープンして、シスターリリーをパーティー登録すると、確かにAランクであり職業は武闘家兼ヒーラーとなっている。
ライラが、挑発で4体を引き付けストロングウェーブで痺れさせると、ドムが烈火斬できりかかるが残りの3体が、マリアに襲い掛かろうとしていた。
「私が、1体は打ち砕くからまかせて」
Aランク魔族に、シスターリリーが白い光を拳にまとわせ、正拳突きを食らわせてかがんだところに、回し蹴りで首をへし折り絶命させる。
俺も、1の型からの切り付けにウォーターカッター叩き込んで、防御魔法ごと破壊して敵を切り伏せ、5の型からの気力を込めた必殺の突きでとどめをさす。
フランは、女魔族のウィンドカッターを同じくウィンドカッターで相殺し、テレポートで敵の死角から魔法の空間斬を叩き込んで、切り刻むが女魔族の最後の力を振り絞った、ウィンドカッターが肩をかすめる。
いち早く、魔族を倒したシスターリリーが、ライラとドムと戦っていた4体の魔族に襲い掛かり、俺とフランも後を追って戦いに参加したが、傷を負っていたのでマリアがハイヒールを掛けて治してくれた。
シスターリリーを中心に、残りのAランク魔族4体を倒した、俺達はマジックポーションをがぶ飲みし、休憩をとりながら周りの戦況を見てみる。
キャプテンハルク達は、魔力切れのSランク魔族を1体をサーベルで切り刻み、もう1体も女王陛下とキャプテンエレナの3人がかりで、倒そうとしていたがこうなると敵が哀れに思えきた。
「あっ リョウの方は大丈夫か」
〖ご主人様、ちょっとの間僕の事を忘れていたでしょう。酷いです泣きますよ〗
「俺の方も、ギリギリだったんだ許してくれ。今度いい肉食わせるから」
〖なら、フランとイチャついていたのも許します〗
「リョウなんてことを、私もアームも最後かと思って。気が高ぶってただけよ」
こっちは、僕の巨大化が切れて雷撃で止めるしかなくなって、無理をした近衛魔法兵5人が殺されて、その時にザインさんと近衛兵5人が来てくれて、Sランク魔族1人を引き付けてくれる。
そのすきに、もう1体のSランク魔族に賢者ミローラとAランク近衛魔法兵3人が、超特大のファイヤーボールを放って相手の防御魔法ごと、飲み込んで黒焦げにして絶命させることができた。
〖やられ過ぎじゃ、とっとと撤退せんかバカ者ども〗
地下から、湧き出るような重苦しい声が響き渡った瞬間に、生き残った魔族達全てが戦場から引き上げていく。
あ奴が、生きていたとはおもわなかった、追撃は相成らんとフローリ様が皆を止めて、怪我人を回復するように命じる。
〖白い魔女は、引退したと思っていたがわしが甘かった〗
「その呼び名は、好きでないせめて白い大賢者フローリと。呼ぶことじゃ」
魔族も去り、女王陛下の命令の元に全軍で、仙人の町ブガンの港に向け出航したが、海軍の10名と近衛魔法兵の5名の戦死者への、黙祷も忘れてはいなかった。
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