第75話王様と聖獣リョウ

 朝飯を食べるためリョウを、女将さんにさんに預けて食堂の席に着くと、可愛いウエイトレスさんが料理を運んできてくれる。


 堅いパンと、野菜サラダと俺の大好きなクラムチャウダーだった。


 裏庭で5つの型からの、素振りをやっていると左でドムもライラも素振りを始めていて、リョウも前後左右に高速移動する訓練をしている。


 右では、フランとマリアが体術の型の確認と、体の使い方と組手をしていた。


 ライラが、ドルンガを幌馬車に繋いで厩舎から、引いてきたので皆で町の門番に、ギルドカードを見せて隊商の幌馬車4台と、共に街道を東に向けて出発する。


 隊商の幌馬車隊の、先頭に立ち索敵をしながら、フランがマリアにドルンガの手綱裁きを、教わっていて後でリョウが索敵を、交代しますと言う。


 幌馬車の、中ではライラが俺にハーモニカを、丁寧に教えてくれて珍しくドムがリョウに、魔物図鑑を読み聞かせていた。


 何事もなく、10日目の午前中に王都に着き、門番にギルドカードをを見せて、隊商の4台と共に冒険者ギルドに着いて、隊商のリーダーのホルンさんにサインを貰う。


 王都の、冒険者ギルドはとにかく大きく、邸宅3つ分はゆうにあったが、建物の装飾も立派で清潔感があった。


 中に入ると、受付が5つあり空いている2番窓口の、綺麗な兎耳受付嬢の順番待ちをして、ギルドカードとサイン入りの護衛依頼書だして、金貨300枚を均等分配して1人が金貨60枚受け取る。


 ギルドの出口に、行こうとすると綺麗な兎耳受付嬢さんから、姉のウサミから手紙で話は伺っています、妹のウサミナといいますので、姉共々よろしくお願いします。


 妹も、兎耳受付嬢でウサミナってなんだよ、、、くくく。


(ご主人様、皆もいるのだから壊滅的な駄洒落を。考えるのはおやめください)


 姉の、ウサミさんにはレベルが低い頃から、大変お世話になっておりまして、大変感謝しているので妹の、ウサミナ受付嬢さんにも、よろしくお願いしたいです。


 早速ですが、私達のレベルで経験値も良く、肉が美味い魔物はここら辺にいないでしょうかと、尋ねるとレッドブルというのがいますと答えてくれた。


「魔物討伐も、大事だけどまずは宿を決めた後に王城におばあ様の。手紙を届けるのがだいじだわ」


「あたしが、ホルンさんを引き留めて。宿屋を紹介してもらうよ」


 ライラがギルドを出ると、まだ隊商のリーダーのホルンが、待っててくれたようで快く宿屋を、紹介してくれたので皆でお世話になることにする。


 宿屋の女将さんに、王城の場所を聞くと、あんたら目玉ついているのかい、城が見えてるだろあそこだよと、笑って答えられた。


 リョウを先頭に、大通りを進んでいくと流石は王都で、人通りも多く建物も大きく立派だったが、王城に近づくにつれ建物が大きく豪華になる。


 貴族街を抜けて、王城に着き王城の門番兵に、ギルドカードを見せ王様に、司教フローリ様からの手紙をお持ちしましたと、言うと暫し待たれよとの事だった。


 暫くして、中に入ると十数名の兵士に取り囲まれ、武器を渡すようにとの事で予備の武器から、解体用のナイフに包丁まで、取り上げられてしまう。


 牢にでも、入れられてしまうかと思ったら、金ぴかの鎧の兵士が近衛兵長のザインと名乗り、もう1人のエルフの賢者はノクトと名乗る、そして犬は聖獣でそちらの剣士は、女神様の加護を持っているなと看破する。


 青いつばさの、メンバーはリョウがただの犬ではないことに、薄々気が付いていたようで聖獣と言われ、納得しているようだったが、俺が女神様の加護なんて凄いものを持っていたことには、多少の驚きがあったようだ。


 国王との、謁見の前に風呂に入り身を清めよと言われ、男女別々に綺麗なメイドさん達に囲まれて、風呂に連れていかれもちろんリョウも、聖獣との事で俺と一緒に風呂に入れられ洗われたが、俺は前は自分でやりますと頑なに断る。


「収納袋等の中の、洗濯物も出してください」


「いや、さすがにそれはまずいのでは」


「私共は、メイドでも王城のメイドです。洗濯もプロ中のプロです」


 仕方なく、皆で溜まっていた洗濯物も出すと、嬉しそうに持っていかれてしまった。


 小奇麗になった、俺達は王座の間に通され首を垂れるが、ドムだけは5歩ぐらい下がった位置にいる。


「わしが、この国の国王のフランドである」


「ドワーフよ、下がった位置におらず近くに寄れ」


「しかし、わしは奴隷にございます。皆と同じというわけにはいきませぬ」


「辺境伯と、司祭からの手紙でここには。側近のザインとノクトしかおらんようにした」


「わしは、身分にはそうこだわらないお前も大事な国民の1人だ。近くにに寄れ王命じゃ」


 そこまで言われては、ドムも従わざる得なかったが、俺達と一緒の位置に並ぶことを、内心は嬉しく思っていた。


「俺は、Cランクパーティーの青いつばさのリーダーの。魔法剣士アームでございます」


「私は、サブリーダーの賢者フランでございます」


「わしは、戦士ドムです」


「あたいは、聖女マリアでヒーラーでもあります」


「あたしは、聖騎士ライラでございます」


〖僕は、アームにティムされている。聖獣リョウと申します〗


 おおリョウは、会話もできるのか流石は聖獣じゃなと、王様が感心しているとノクトさんが、アームは女神様の加護を持っております、女神様の使徒であると考えられますと言う。


 それに、賢者フランはあの司祭であり大賢者でもある、フローリ様の孫であり私の上級鑑定で見ても、スキル的には息子のネクトにも遜色のない、立派な賢者でございます。

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