第64話マリアスラム牧場と領主グラン

 暫くして、フローリ様が出てきてシスターリリーに、この手紙を領主館へ届けるよう命じ、例のパスタ屋で待っているからと言った。


 リョウの先導で、フローリ様と俺達青いつばさは、例のパスタ屋に向かうとする。


 店に着いて席に座ると、ウエイトレスさんがおすすめは、麺料理ですよと言ってきた。


「では麺料理を、人数分お願いしますし外の犬にも。食べさせてやってください」


「フローリ様、以前お願いした魔物に潰された。牧場の買い取りお願いします」


「わかっておる、マリアが新しく寄付してくれたお金を含めて。今日にでも教会価格で買い取るつもりじゃ」


 そんな話を、しているとシスターリリーがやってきて、領主グラン様が3時頃に会えるとの事を伝えてくれた。


 シスターリリーが、パスタを食べ終わるの待って、皆でスラム牧場に向かった。


 スラム牧場で、シスターユリアとライズさんと合流して事情を話して、皆で商業ギルドに行き中に入き綺麗な金髪受付嬢がいる、空いている3番窓口にして順番がくると。


「Bランクのフローリじゃが、この前魔物に潰された牧場を買いに来た」


 場所はどこですかの問いに、ライズさんとマリアとユリアが地図を見て、土地の場所を指さした。


「教会価格で、頼みたいのだがいくらになる」


「潰れている、牧場ですので教会価格で5白虹貨でどうでしょう」


「俺は、牧場で働いているライズだが家屋や設備も傷んでるし。4白虹貨にならないか」


「うーん、わかりました即金ならその価格で良いでしょう」


 綺麗な金髪受付嬢が、そう言うとフローリ様アイテムボックス(中)から、お金を取り出し即金で支払った。


 フローリ様が、牧場の名前はマリアスラム牧場にするからと言うと、マリアは恥ずかしいと反論したが、決定事項だからと押し切られる。


 それと、ライズを教会で前の2倍の賃金で雇い、マリアスラム牧場の監督官にするからと言い、これも前の雇い主に了承取っていると断言された。


 これに、シスターユリアが大いに喜んだが、フローリ様に何故かまだ3年早いと一蹴されてしまう。


 ついでに、俺は商業ギルドカードに念じてみると、残高白虹貨1枚と白金貨5枚とでて1人でほくそ笑んだ。


 ちょっと早いが、領主館に向かおうとフローリ様が言うので、シスターリリーの先導でライズさんとシスターユリアを除いた、皆で行くことにする。


 領主館の門番に、3時に領主グラン様と会う約束をしておった、司祭フローリだが案内を願いたいと言うと、25歳ぐらいの綺麗なメイドさんが出てきて、私が部屋までご案内いたしますと言う。


 豪華な扉を、開けて部屋に入ると35歳ぐらいの立派な服を着た男と、17歳ぐらいのエルフの男で賢者とわかる、服装と杖を持った男がいた。


「俺がグランだ、手紙は読んだが俺は武闘派で。結界が張られたかの判断が付かんので」


「このAランク冒険者の、賢者ネクトに確認させるがよろしいか」


「わかりました、グラン様の仰せに従いますよいなアーム」


「はい私共も、仰せに従います」


「では、あたいマリアが結界を町の全体に張りますね」


「ホーリーハイドーム」


 マリアが、呪文を唱えると町にドームのような光が張られたのを見て、賢者ネクトがこのような少女が本当に聖女とはと、驚きを口にした。


「グラン様、本当に結界が張られました」


「この方が、まだ若いこの少女が聖女様にございます」


「グラン様、今のあたいのレベルだと魔物と魔族と悪しき種族を阻む。この結界は50年ってところです」


「50年も、持てば御の字だよくやってくださった。聖女マリア様」


 グラン様が、そういうとマリアは床に寝転んでしまい、フローリ様が大魔法を使ったので魔力切れを起こしたようですと言って、マジックポーションを飲ませた。


 マリアは、意識はあったが夢うつつでありそれを見て、グラン様が人を呼ぼうと呼び鈴を鳴らそうとした時に、フローリ様がマリアが聖女と言うことは、お二人だけの秘密に願いますと頼んだ。


 グラン様は、わかったと言って呼び鈴を鳴らし、メイド達を呼ぶとその少女を1番良い客間のベットに、寝かせるように命じた。


「それでは、そなたたちに褒美を授けなくてはならない」


 フローリ様が、お手紙に書いたように女神様のご神託に従ったまでで、特別な褒美はいりませんが王都でも結界を貼り直さなければならないので、そのことをグラン辺境伯様から国王様に、お手紙か何かでお伝え願えないでしょうか。


 会い分かった、特別な武装馬車にネクトをつけて、手紙を届けさせよう。


 あと一つ、マリアスラム牧場に結界を張る事を、許可して頂きたく女神様にも許可されていますことゆえ。


 女神様が、許可を出したなら当然許可をだすが、初めて聞く牧場だがどこにあるのかと、地図を出して問われ俺が魔物に滅ぼされた牧場で、ここがそうですと指さした。


 この牧場の件は、報告があり兵士を送り調査させたが、魔物を発見できずにいたが冒険者ギルドのパーティーが、ゴブリンの巣を発見し討伐したとあったな。


 そのパーティーが、この青いつばさでありまして、魔物の再発は無いと思いますので、マリアからの多額の寄付にて教会が、牧場を買い取った次第であります。


 本来なら、スラムの人達の救済は領主たる俺がやらねばならぬことなのにそなた達がやってくれてるとは報奨金として金貨30000枚をつかわす皆で分けてくれ。


 私達は、マリアの回復を待ってありがとうございますと、領主館を辞したが報奨金は均等配分にして、1人金貨6000で分けた。


 宿屋に戻ってエルザさんに、今日あったことを報告する。


「5人とも、晩飯食べてきなリョウはこっちだよ」


 俺達が席に着くと、可愛い猫耳ウエイトレスさんが料理を運んできてくれる。


 堅いパンと、コーンスープにイカと貝の煮込みがでてきて、よくだしがでていて美味しかった。

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