女神様からの使命編

第63話女神様からの使命

 朝飯を食べるためリョウを、エルザさんに預けて食堂の席に着くと、可愛い狐耳ウエイトレスさんが料理を運んできてくれ。


 堅いパンと、コーンスープと野菜たっぷりの牛すじ煮込みでとても美味しかった。


 裏庭で5つの型からの、素振りをやっていると左でドムとライラも素振りを始めていて、リョウも前後左右に高速移動する訓練をしていて。


 右ではエルザさんが、フランとマリアに体術の型の指導と、体の使い方と組手を教えていた。


 1時間の鍛錬を終え、俺達青いつばさのメンバーは、教会孤児院の教会に向かう。


 教会に、入るとフローリ様とシスターリリーが念入りに、女神様像を磨き上げていた。


「アームよ、首を長くして待っておったぞ」


「そんなに、焦らなくても女神様は逃げたりしませんよ」


「それより、マリアはホーリーハイドームは。使えるようになったのか」


「はいフローリ様、無事に覚えられたよ」


「おお、ならば聖女の誕生じゃな」


「おばあ様、女神様に認定されて聖女になるそうですわ」


 ならばはよ、皆で女神像に祈るのじゃと、フローリ様にせかされて皆で一心に祈りをあげると、女神像がだんだん光始める。


〖アームにリョウよ、よくここまでマリアを育て上げました〗


〖マリアよ、ホーリーハイドームを覚えた事で立派な聖女だと。私が認めますよくやりましたね〗


「あたいの力じゃないよ、ここにいる皆がいなければ。到底無理だったよ」


〖その通りですよ、魔法はフローリが教え文字の読み書きや行儀作法は。リリーやフランやライラに教わっていたのを見てましたよ〗


〖それに、そこまでレベルアップできたのもあなた自身の努力と。皆の協力があっての事です改めて皆に感謝します〗


 もったいない、お言葉とフローリをはじめ皆が揃って首を垂れる。


「女神様は、レベル40で覚えた魔法でないと倒せないと。知っていたんですよね」


〖ま まあね、でも私が調節したら失敗しちゃって。他の人の所に2体でちゃってだから。古竜ドラカニに任せることにしたのよ〗


「2体って、あのオークジェネラルの事件は女神様の。仕業だったんですか死にかけたんですよ」


〖でもね、良かれと思ってしたことだから責めないでね。死んだら天界で優遇するつもりだったし〗


(魔力が、強すぎるんだから慎重にと僕があれほど言ったのに)


〖それはそうと、大事な使命についてお話しますね〗


 あ ごまかしたとこの場にいた全員が思ったが、大事な話なので突っ込まない事にする。


「拝命いたします。」


〖まだ言ってませんよ、このグランの町とこの国の王都フランドと。エルフの国のエルンの都と仙人の町ブガンの結界を。ホーリーハイドームで張り直しなさい〗


〖そして、魔の者達からからの大規模な侵略が計画されていますので。それから皆を守るのです〗


「それらの場所に、結界施すにはその場所の。長たるものの協力が必要です」


「その者たちには、マリアが聖女だと明かしますが。よろしいでしょうか」


〖良いでしょう、どうせエルンの都に結界を張り直したところで。味方にも敵にもわかってしまいますからね〗


「女神様、その敵とは何者なのですかそろそろ教えて下さい」


〖主に、魔族ですが魔物や悪の竜族や悪の人族も敵対者です〗


「魔族とは、どんな者たちですか善なる魔族はいないのですか」


〖邪神や邪竜を、崇拝する人間に似通った。角の生えた知性のある魔物です〗


〖善に近い魔族が、極々少数ですが存在するのも事実ですが。戦いの場には現れません〗


「女神様でも、邪神や邪竜を倒せないのでしょうか」


〖私は強いので、聖竜と協力して何度も倒してきましたが。数千年ごとに邪神は復活するので厄介なのですよ。〗


「では、邪神討伐に協力せよとの事ですか。」


〖いまはまだ、倒して数百年しかたっていませんし。貴方達のレベルではまだ力不足ですので。まずは結界のことをよろしくです〗


〖でも、強くなってきたのも事実ですが。その頃が一番危ないので。気を付けて強くなりなさい〗


「わかりました、今は自分達を磨きいつか。ご期待に沿えるよう精進します」


〖ただアームよ、完全なる善は神と一部のものにしかいなく。完全なる悪は人間にもいるので気を付ける事ですよ〗


「貧乏に耐えかねて、犯罪に手を染める者達もでしょうか」


〖いいえ、違いますよ自分の身勝手で人を殺せる者の事です〗


「女神様、フローリ様やシスター達も完全なる善にはなりえないのですか」


〖言い方が悪かったですね、完全なる善に近づこうと。努力している者もいましたね〗


 その言葉を、聞いてフローリ様とシスターリリーは、涙を流していた。


「女神様、あたいがフローリ様に頼んで。魔物に襲われた牧場を買い取り」


「そこにも、結界を貼りたいのですが。お許しいただけませんか」


〖そのぐらいなら、問題はありませんので許しますが。この町の結界の事も早めに進めてくださいね〗


「早速、私フローリが領主グラン様に手紙を書いて。面会を取り付けます」


〖後の事は、フローリに任せました。アーム達も上手くやるように〗


 そう言うと、女神像は徐々に光を失っていく。


 それを見て、手紙を書くと言ってフローリ様は、自室にこもってしまった。

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