第61話レベル40とドラゴンゾンビ

 解体レベルが4に上がって解体速度が速くなれば時間短縮になって助かる。


 なに、コソコソやってんのアームたらやーらしいと、マリアが言ってきたのでやらしいと思うお前の方が、やらしいんだぞと言ってやった。


「フランが、野営の見張りの順番を決めてくれ」


「わかったわ、見張りは私とアームは1番で4時間交代で」


「2番は、ドムとマリアで3番はライラとリョウに決めたわ」


 俺とフラン以外は、毛布に潜り込んで眠りについたが、俺達はお茶を飲み火の番をする。


「アームは、ドラゴンゾンビが怖くはないの」


「もちろん、怖いが戦う覚悟はもう出来た。それに賢者フランがいるしな」


「私も、怖いけど強い剣士がいるしね。最近までへっぽこだったけど」


 その日の、野営も何事もなく次の日の朝を無事に迎え、朝食はホットドックとクラムチャウダースープで簡単に済ませた。


 朝から5つの型からの素振りをやっていると、左でドムとライラも素振りを始めていて、リョウも前後左右に高速移動する訓練をしていて。


 右では、フランとマリアが体術の型と、体の使い方と組手を練習していた。


 地下23階に入ると、ダンジョンが薄暗くなり、大きなドーム場になっている。


 ドムが、罠を見つけたので罠解除するまで待ってくれと、言ってきて素早く解除を終えた。


(200メートル先に、ドラゴンゾンビを見つけました。警戒しながら近づきます)


「ドラゴンゾンビが、いるようなのでライラが引き付けて。フランもマリアも聖属性の魔法で攻撃してくれ」


「ライラが、挑発で引き付けて俺とライラとドムと。フランとマリアの順で繰り返し攻撃する」


「マリアは、事前に俺とドムとライラに攻撃力上昇と。防御力上昇のバフとホーリーウェポンをかけてくれ」


 ライラが、あたしは自分で武器に、ホーリーウェポンをかけるからと言う。


「リョウは、ライラが危ないと思ったら。雷魔法で攻撃してくれ」


 了解と、皆から返事が返ってきた。


 距離が、10メートルと迫った時に、ドラゴンゾンビがグガオーーと叫んだ時に、リョウの雷が相手の頭に落ち痺れさせた。


 なぜ今、と思ったがライラとドムが叫びにより、恐慌状態になっていて、マリアとフランがキュアで回復させた、レベル40で自動的に覚えた魔法だ。


 立ち直ったライラが、挑発で引き付けて俺とドムが全力で切りかかり、フランとマリアがホーリーアローで攻撃する。


 とにかく、ドラゴンゾンビがでかい、立つとミノタウロスの2.5倍の背丈があり、攻撃がとおりにくいし相手の攻撃が重くて強い。


 何度か、ライラも俺もドムも攻撃を受けて怪我をするが、マリアとフランのハイヒールでなんとか持ちこたえた。


「ドム、右足を集中攻撃しよう」


「わかった、それでいこう」


 俺は4の型からの攻撃で切りつけ5の型の気力の突きで攻め、ドムも右足を何回も切りつけるとたまらず、ドラゴンゾンビがブレスをはこうとしたが、フランが口にめがけてホーリーアローをはなち阻止する。


 バランスを、崩して四つん這いになったところで、首に俺とドムが切り込みマリアが、ホーリーレインを唱えると苦しみだした。


 しかし、力を振り絞ったドラゴンゾンビの爪攻撃が、俺の腹に突き刺さりドムを弾き飛ばし、ライラを押さえつける。


 もはや、これまでかと思ったがリョウの雷が、ドラゴンゾンビに直撃しマリアがエリアヒールを唱え、フランのハイヒールが俺をさらに回復してくれた。


 フランもマリアもリョウも、マジックポーションをがぶ飲みしていて、ドムもライラもアイテム袋(中)から、武器を交換している。


 俺は、ドムの手を借りて高くジャンプして、5の型突きでドラゴンゾンビの右目を、気力を込めて突き上げたがその瞬間に、爪で俺の左手を切り落とされた。


 痛みがあるのか、わからんがドラゴンゾンビが、頭を上げたときに首の鱗の一部が光る、その時に皆の頭の中に声が響く。


〖マリアよ、あの光る鱗に向けてホーリーレーザーと唱えるのじゃ。レベル40になった今なら使えるはずじゃ〗


 マリアが、ホーリーレーザーと唱え光る鱗を打ち抜くと、首ごと頭が吹っ飛んで行き勝ったと思った瞬間に、皆が地べたにへたり込んでしまう。


 そして、全員のレベルが42に上がっていた。


 俺は、切られた腕の激痛で転がりまわりそうになったが、リーダーという対面上で必死に痛みに耐え忍んでいる。


 マリアとフランが、泣きながら俺の切り落とされた左手を、ハイヒールでつなごうとするが血は止まったものの、つながることはない。


 暫くして、ドラゴンゾンビを皆で解体し終えると、ドームの降りてきた階段側と反対側に巨大な扉が現れて、皆の頭の中にまた話し掛けられる。


〖その扉を、開けてわしのもとにこい。危険はもうないので安心するのじゃ〗

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