第10話防具とロムさん
シスターリリーに連れられて、鍛冶屋通りの鉄屑屋のロムさんの所に来ていた。
「ロムおじさん、お久しぶりお客さんを。お連れしましたよ」
「リリーちゃんじゃないか、珍しいなうちに来るなんて。お客ってのはその坊主だな」
「じゃあ私はこれで、お買い物もありますんで失礼しますね。アームも頑張ってくださいね」
「シスターリリー、1人じゃ危なくないですか」
「坊主余計な心配だよ、あの子は体術の天才でな並みの男が10人がかりでも。かなわないから」
「お前さんも、変な気起こしたら瞬殺されるから。気を付けな」
孤児院のシスターは、エルフといい化け物ぞろいだな、気をつけようと思った。
的確に注意してくれたのは、背は低いががっしりとした筋肉質の、ドワーフのおっさんだった。
この店の壁には、盾や鎧が所かまわず飾られていた。
「アームといいます、ガルムさんの紹介で丸盾を買いに来ました」
「なんだガルムの紹介って事は、あいつに剣術でも習う気なのかい」
「はい今日少し教わりましたが、明日から本格的にご教授願うつもりなので。丸盾を買ってこいと言われました」
ちょっとガタイを、調べさせろと体のあちこちを触られる、男に触られるなんて屈辱なのだが。
「レベル1で剣術1ってとこか、これじゃあどんな女に変な気起こしても、抹殺されるな」
うう、変な気なんて起こしてないのに、なんて言われようだ。
(鼻の下は、よく伸ばしますけどね)
やかましいわ!
「あいつの紹介なら、新品じゃないとだめだな。中古は変な癖がついていると。言って嫌がるからな」
そういうと、工房の奥に引っ込んで行ってしまった。
暫くすると、真新しい丸盾とレザーアーマーを、持って帰ってきた。
「両方で、金貨25枚のところ18枚に負けといてやるぞ」
「あのー、レザーアーマーは頼んでないんですけど」
「バカモン!剣士たるもの防具も着ないで死ぬ気か」
その剣幕に驚き、速攻でアイテムボックス(小)から金貨18枚を、取り出しお支払いした。
「わかればいい、早速装備してみなさい丸盾は使わないときは。ベルトの右ホックにひっかけとくんじゃ」
レザーアーマー着こんでみたが、予想以上に軽く動きやすかったが、ロムさんには馬子にも衣裳だなと笑われてしまった。
笑うことないのにと思っていると、ロムさんが大きなビンを一つとコップを二つ持ってきて、飲もうと言われて。
味はウイスキーにちかく、度数も結構ありそうだったので、おれはウォーターと唱えて水で割って飲んだ。
水で薄めますかと聞いたら、仕事終わりにいつも飲んでるやつだから、いいと言われた。
「ドワーフって、やっぱり酒に強いんですね」
「酒の弱いドワーフなんて、見たことないなわしらには。水みたいなもんだから」
「飲めない奴なんていたら、嫁さんも来てくれないだろうな」
暫く付き合い少し酔いがまわったところで、リョウについて宿屋にかえるとエルザさんから、孤児院にいってよかっただろと言われた。
なんかエルザさんの、手のひらで踊らされているようだが、良い方になっているので良しとした。
「全て、エルザさんおかげです」
「そんなこともないさ、あんたの人徳もあるんだよ。早く晩飯たべちゃいな」
そういうとリョウを連れて奥に引っ込んでしまった。
今日の晩も、可愛いい猫耳ウエイトレスが頑張って給仕していた。
相変わらず堅いパンが出てきたが、スープは俺の好きなクラムチャウダーのような味のものだった。
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