第2話警備兵ダインさん

 俺は、知らないベットの上で目覚めた。


 何の変哲もない、木製作り部屋の窓から日が差し込んでいた。


 ドアが開き、がっしりとした体躯で30歳ぐらいの男が声をかけてきた


「おっ やっと起きたようだな」


 心配そうに、俺を見るリョウも部屋に入ってきた。


「ワン」


(ご主人様まず謝らせてくださいね、女神様は魔力が強すぎてたまに魔力コントロールを。しくじることがあるのです)


 それがあの「ちょ ごめ」か、女神さまにいうのもなんだが可愛げあるというか、大丈夫かこの世界。


「ようようボーっとして、まだ意識がもうろうとしてるみたいだが。しっかり聞いてくれ」


「お前さんが、街の外の林に倒れていたのを。この犬が吠えまくって俺に知らせてくれたんだ」


「こいつがいなかったら、意識のないお前さんが魔物の餌食になるのに。時間はかからなかっただろうな」


「そうそう俺は、この街で警備兵をやってるダインというものだ。職務上何点か聞かなきゃいけないんだが。まず名前と年齢と職業を聞かせてくれ」


 そうだよな、普通行き倒れてたら聞かれるよな、名前はいいとして職業なんて無職だし年齢も、わかんないしどうしよう。


(冒険者なりに、きましたって事にしましょう。ここでご主人様が寝ている間に。冒険者ギルドの位置も調べておきました。)


 またリョウが、頭に直接話し掛けてきた、もう調べているとは優秀な奴だな、流石わが愛犬。


(年齢は、17歳ですよ女神様に聞いときました)


 なに、そこまで若返ったのやりすぎだよ女神様。


 ダインが、不思議そうに眺めて俺にこう言った。


「どうした答えられないのか、それともまだ意識がはっきりしないのか」


「調子が悪いのであれば、無理に答えづしばらく休んでからでもいいぞ」


「大丈夫ですよダインさん」


「名前は、アームで年齢は17歳で冒険者になりたくて。この町にきました」


「アーム普通は、12歳から14歳ぐらいで冒険者登録するのだが。念のため最後に犯罪歴がないかどうか。調べさせてほしいのでこの水晶玉に触れてほしい」


 俺は、言われるままに水晶玉に手を置くとそれは白く光りだした。


 ダインは、満足そうに頷いて水晶玉を大事そうに木箱にしまった。


「犯罪歴は一切なしだな、解放にはなるが町にはいるのに身分証がないと銀貨1枚、必要だったんだがもらってもいいかな」


 机の上に置いてあった、小銭入れにバックや片手剣を渡してくれた。


 そして、小銭入れをつついてちょうだいと、手のひらを突き出した。


 なんかおっさんに、こずかいねだられてる気分になったが、ここまで運んでくれた命の恩人だし素直に、小銭入れの中から銀色の硬貨一枚をわたした。


「はい頂きました。それと何か困った時は警備隊の詰め所で。俺あての伝言残してくれたらいいから。宿屋がきまったら教えてくれ」


 こんないい人は、滅多にいないだろうから、聞けるだけ聞いておこう。


「ダインさん早速なのですが。犬も泊まれて比較的安いお勧めの宿屋って。ないでしょうか」


「それなら、町の南側にある馬の尻尾亭という宿屋がいいかな。女将さんが気さくな人で馬でも犬でも。大丈夫だと思うよ」


「それと、鏡があったら貸していただけないでしょうか。なるべく大きいやつを」


「鏡かいいぞ、女性隊員がいるから借りてきてやる」


 ダインは部屋を出て行った。


 しばらくして、戻ってきたダインは何に使うのかと、笑われたと憤慨していた。


「俺だって、鏡を使うことぐらいあるのにな。はい一番でかいの借りてきてやったぞ」


「わざわざすみません」


 ちょっと大きめの手鏡を覗いてみて、髪の毛は黒色で目はブルー歳は17歳っていって、おかしくないほど若かった。


(身長は、175センチぐらいだと思いますよ)


 手鏡を、返してお礼をいった。


「本当に、色々とお世話になり助かりました。ありがとうございました」


 そして、俺はダインさんに続いて外に出た。

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