第2章〜恋の中にある死角は下心〜①
ひばりヶ丘学院の高等部に入学して、わずか三日で、四人の女子生徒から、デートの申込みを受けるという、他人からすれば、羨望と嫉妬の眼差しの集中照射を浴びそうな状態にあった
そこに、前日の放課後、彼が複数の女子生徒と校舎裏に消えていった、という目撃証言を入手していた
「ねぇねぇ、
数少ない同性の話し相手ということで、友人というポジションに収まりそうなクラスメートの表情に、なにやら作為的な思惑を感じたものの、前日の夜からリリムたちとの関係に悩み続けていた
「ん? 聞きたいことって、なんだい、
快活とは言えない表情ながらも、自身の質問に反応を示した
「昨日の放課後、キミが、何人かの女子と校舎裏でイチャついていたってウワサが、僕の耳に入ってきたんだけど……なにか、あったの?」
高等部に進学して早々、放送メディア研究部という実態が良くわからないクラブに入部したというクラスメートの一言に我にかえり、
「その話し、どこで聞いたの?」
と、声を上げる。
「メディアに携わる人間として、情報ソースは明かせないんだよね〜。ただ、昨日のことを答えてくれるなら、場所を変えよう。教室じゃ話せないこともあるだろう?」
と、澄ました表情で
そして、放送メディア研究部員の言葉にリアクションを起こすクラスメートが、もう一人いた。
「なんだ、二人とも? なにかおもしろい話があるのか?」
声をかけてきたのは、
「うん、新しく友人になったクラスメートに、女子にモテる秘訣を聞こうと思ってさ」
そう言いながら、
そこに、登校してきたばかりの
「おはよう、ハリモト!」
と、朗らかな表情で声をかけたあと、フフッと意味深長な視線を送ってくるのだった。
◆
男子三名で校舎の西側の階段の踊り場に移動すると、
「なあ、さっき、
「そうなの? 僕は気づかなかったけど……そういうことも含めて、
友人の言葉に応じた
「で、
教室で話しかけられたときから、
そして、観念した彼は、ため息をつきながら、放課後に起きたできごとを語る。
「実は……
「「な、なんだってぇ~!」」
うんざりするような顔つきで語られた
(ボクが保健室で、二人と同じセリフを言ったとき、保健医の
そんなことをボンヤリと考えていた
「マジかよ、
「こりゃ、予想以上にスゴいネタだよ! で、
食い気味に質問してくる二人に、
「あとの二人は、三組の
新しくクラスメートになった男子生徒の返答に、一瞬、絶句したあとで、
「はぁ〜、三組の
「どっちも、去年の中等部では、学年で告白された回数ナンバー1の二人だからね〜。これは、高等部と中等部の男子から呪いを掛けられても仕方ないくらいの出来事だよ」
一方の
そんな二人の反応を見ながら、
「ボクは、プライベートなことを答えたから……ボクからも、二人に教えてもらいたいことがあるんだけど、良いかな?」
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