第18話
衝撃はこない。
目を開くと、目の前には、山崎の背中。
弱っちいやつだと思っていたのに、ジュースのバットを受け止めている。
「逃げろ、カナタ!」
イオリ、イオリくん。
彼は気付いていたんだろう、ジュースの正体に。
あたしを守るための背中と、イカれてる黒髪のジュース。
ランドセルからノートを出して、控えめに投げる。
「死ね、全部知ったなら!」
ジュースはイオリくんに負けずに、バットを強く降ろしている。
ノートは当たったが何のダメージもなく、あたしは焦るままだった。
妄想みたいに、強けりゃいいのに。
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