第9話
それから2ヶ月後であった。
多香子の父親は、ハラスメントを繰り返したあげくに支店閉鎖に追い込ませた責任を取る形で会社をクビになった。
その後、鶴見にある大手自動車メーカーの純正部品工場にある運送会社に転職した。
朝決められた時間に工場の送迎バスに乗って出勤する…
決められた時間内に与えられたお仕事だけをする…
給与引きのヤクソクで注文したお弁当を食べて栄養を摂る…
仕事が終わったら工場の送迎バスに乗ってまっすぐ帰宅する…
多香子の父親はこの2ヶ月で考え方を変えることができたので、家庭はおだやかになった。
時は、7月18日の日中であった。
ところ変わっては、鎌倉七里ヶ浜にある鎌倉プリンスホテルにて…
この日は、母親の知人夫婦の娘さんの結婚披露宴があった。
家族4人は、幸せのおすそ分けをもらうために結婚披露宴に出席した。
時は、結婚披露宴の前半が終わった頃であった。
この時、出席者のみなさまはランチを召し上がっていた。
家族4人がランチを摂っていた時であった。
家族4人のもとに、
「小松崎の奥さま。」
「あら
「いえいえこちらこそ…」
このあと、
この時に、永富さん夫婦は美香子にエンダンを入れた。
永富さんは、美香子に対して新婦さんの幼なじみの男性・ケンスケさん(33歳)はいかがですかと言うた。
多香子の両親は、
結婚披露宴が終わってから2時間後であった。
ところ変わって、ホテルのエントランスにあるカフェテリアにて…
カフェテリアには、多香子の家族4人とケンスケさんと永富さんがいた。
みんなでお茶をのみながら楽しくお話をしようと想った時に、多香子の父親がケンスケに対して『キュウヨメイサイを見せてくれ…』と強要した。
端にいた
「小松崎さん!!」
「何だ!!」
「なんで初対面の人に無理強いをするのですか!?」
「ワシは、無理強いしていない!!」
「小松崎さん!!」
「ワシは、美香子をやしなうことができるかどうかを聞こうとしただけだ!!」
「あなたのお気持ちは分かりますが、そういうお話は別の機会にしてください!!」
「何や!!ワシにケチをつけるのか!?ワシは、美香子をやしなうことができるかどうかを聞こうとしたのだ!!」
(ガーン!!)
この時、ケンスケが角砂糖が入っている入れ物を多香子の父親に投げつけた。
ケンスケは、多香子の父親に対して怒鳴り声をあげた。
「ふざけるなクソジジイ!!ぶっ殺してやる!!」
「ケンスケさん、やめてください!!」
「止めるな!!あのクソジジイがオレは安月給だからダメだと言うたからぶっ殺すんだ!!」
「ケンスケさん…悪かった…」
「ふざけるな!!オレは
「ケンスケさん、それは言いすぎだよ…」
「ふざけるな!!あんたも悪いのだよ!!オレに
思い切りブチ切れた多香子の父親は、ケンスケに殴りかかった。
「ヤロー
「ぶっ殺してやる!!」
「ケンスケさん!!やめなさい!!」
「あなたやめて!!」
永富さんと多香子の母親は、多香子の父親とケンスケの大ゲンカを止めに入ったが、止めることができなかった。
これにより、お見合いは破綻した。
困り果てた
しかし、どこの家もエンダンを拒否した。
『小松崎の
『小松崎の
『パワハラセクハラマタハラザンマイをした
『小松崎の家がセガレを殺すおそれがあるから怖い…』
……………
エンダンを持ち込まれた家の人たちは、口々に小松崎の家をなじりまくった。
困り果てた
コウスケは、銀行員で月給41万円…と安定した収入があったが深刻な問題を抱えていた。
コウスケは、14年前に最初の妻と子どもを暴力で殺した前科があった。
コウスケは、3ヶ月前に服役していた刑務所から出所したがあと5年9ヶ月の間は『仮』出所の身であった。
7月25日に、美香子とコウスケは婚姻届けを区役所に提出した。
同時に、コウスケは小松崎の家にムコヨウシになった。
挙式披露宴は、挙げないことにした。
家族は、美香子が結婚したことを機にもう一度0からやり直すことになった。
これでめでたしめでたし…
………………
…で終わりと言うわけではなかった。
ここから、恐ろしい悲劇の第二の幕があがった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます