イス取りゲーム参加辞退

望月(もちつき)

イス取りゲームの参加辞退

この部屋にある、たくさんのイス


パイプ椅子、丸椅子、座布団まで

数多の一人用のイス


10人がその部屋に入ってきた

彼らは内側から鍵をかけた


「ここまで着くのに、いくつもの山を乗り越え、壁を越えたんだ」


足が疲れた彼らは座ろうと思った

丸椅子に座る人

パイプ椅子に座る人


時間と共に

夜と遠雷が来る


椅子は足りなかった

座ることができなかった何人かは、仕方がなく体育座りをした


朝日が現れ、

小窓から光が差し込んだとき、

何人かの人も、自分と同じ体育座りであることに気づいた


「天気がいい、外へ出よう」


彼らは鍵を開け、

別の場所に移動していった


外は雨が止んでいて、清々しい青空が広がっている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

イス取りゲーム参加辞退 望月(もちつき) @komochizuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説