タイトル[酷いミステリーの結末を話二人]
絶望を超越するもの
タイトル[酷いミステリーの結末を話二人]
俺たち2人の男はいつものように
学校の空き部屋でお菓子を食いながら話をしていた。
「酷いミステリーの結末てどんなのだと思う?」
「動物が犯人とか?」
「それは史上初の推理小説であるモルグ街の殺人も
動物であるオラウータンが犯人と言った事をしていますけれど
まあ基本的には酷いミステリーの結末ではあるでしょうけれど
作者の腕が良ければどうとでもなる範疇であると私は思いますね」
「と言うと?」
「ヴァン・ダインの二十則とノックスの十戒と言うものがありますこれは
まずノックスの十戒がこれ
1.犯人は物語の序盤に登場していなければならない。
2.探偵方法に超自然能力を用いてはならない。
3.犯行現場に秘密の扉を作る場合、二つ以上作ってはならない。
4.常識的にありえない未知の薬物や、
一般人の理解しづらい難解な科学技術を事件に適用してはならない。
5.中国人を登場させてはならない。
6.探偵は偶然や勘によって事件を解決してはならない。
7.探偵自身が犯人であってはならない。
ただし犯人に変装するなどの場合は除く。
8.探偵は読者に明かしていない手がかりによって事件を解決してはならない。
9.探偵の助手にあたる人物は
自らの判断を全て読者に知らせなければならない。
10.双子や一人二役の人物を出す場合、
その存在をあらかじめ読者に伝えなければならない。
そして次にヴァン・ダインの二十則がこれ
1. 事件の謎を解く手がかりは全て
作中にはっきりと記述されていなくてはならない。
2. 作中の人物が仕掛けるトリック以外に
作者自身が読者を騙すようなトリックを仕掛けてならない。
3. ストーリーを読み解く上で意味のない
ラブストーリー的要素を登場させてはならない。
4. 探偵自身、または探偵役に該当する人物が
犯人に急変してはならない。これは読者を騙すアンフェアな手である。
5. 作中で起きる事件は論理的な推理・
考察によって解決されなければならず、
偶然・暗号・または唐突なる犯人の自供によって
真相が暴かれることがあってはならない。
6. 探偵小説には必ず探偵役が登場しなければならず、
その探偵役または関連する人物によって
謎解きがなされなければならない。
7. 長編小説では死体を登場させなければならない。
殺人無き長編小説では読者は興味を示さないだろう。
8. 占いや心霊術、読心術などで事件の真相が暴かれてはならない。
9. 探偵役は一人が望ましい。複数居ては
事件の考察が分散しやすくなり、読者の混乱を招くことになる。
10. 犯人は物語の中で重要な立ち位置にある
人物でなければならない。物語の終盤で
初登場した人物が犯人となるのはアンフェアである。
11. 端役の使用人などが犯人であってはならない。
そのような立ち位置の人物が犯人ならば小説にするほどの価値は生まれない。
12. いくつ殺人事件があっても、
真犯人は一人でなければならない。但し端役の共犯者がいてもよい。
13. 秘密結社など非合法の組織が犯人役であってはならない。
組織が犯人では金銭などの援助を受けられる為アンフェアである。
14. 殺人の方法及び、それを暴く探偵の捜査方法は
合理的かつ科学的でなけばならない。
例えば殺人の方法が毒殺の場合、未知の毒薬を使ってはならない。
15. 事件の真相を暴く為の手がかりは、
作中の探偵が明らかにする前に全て読者に提示されなくてはならない。
16. ストーリー展開に影響を及ぼさない
描写や文学的表現は省略すべきである。
17. プロの犯罪者を犯人にしてはならない。
一般人に収まらない犯罪者なら警察が片づけるべきであり、
読み物なら一般人に推理できる犯罪者が望ましい。
18. 事件の真相を事故死や自殺で片づけてはならない。
この様な終わらせ方は読者にとっては詐欺である。
19. 犯罪の動機は個人的なものでなければならない。
組織的な動機や陰謀の類ならばスパイ小説で書くべきである。
20. 既存の推理小説で使い古された手法は使うべきではない。
以下に一例を記述する。
・犯行現場に残されたタバコの吸殻と、
容疑者が吸っているタバコを比べて犯人を決める方法。
・インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる。
・指紋の偽造。
・替え玉によるアリバイ工作。
・番犬が吠えなかったので犯人は
その犬に馴染みのあるものだったとわかる。
・双子の替え玉トリック。
・皮下注射や即死する毒薬の使用。
・警官が踏み込んだ後での密室殺人。
・言葉の連想テストで犯人を指摘すること。
・土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法。
と言ったもので当時は革新的なものだったのでしょうが
今となってはそうでも無いものたちだこれらを犯したとしても
面白いと言われている作品はある、それは何故だと思う?」
「当時より小説というものが洗練されたから?」
「勿論それもあるが答えは作者の実力だ
どんな時代でもどんな内容でも
作者の実力があればその作品は面白いそれが真理だが
例えどんなに作者に実力があっても酷いと言える
ミステリーの結末とは一体なんなのか私はそれを知りたい」
「作者の実力があれば
どんな結末だろうが
面白くなるんじゃいですかね?」
「犯人が超能力だとしても読者が犯人だとしても
幽霊が犯人だとしても催眠もガスも幻覚も犯人滑りもオカルトも
全員が犯人も自殺もフィクションも超技術もトンネル効果も病気も
作者に実力があればその作品は間違いなく面白い!」
「なら作者の実力があれば酷いミステリーの結末なんて無いのでは」
「そうなのかもしれないだけれど私はそれを知りたい」
「それを知ってどうするつもりなんですか?」
「それを知ってどうするつもりかって
そんなのは一つしかないだろう
それは私が唯一のその酷いを無くして
どんな結末も作者の実力とする為だ!」
「それはどうして?」
「それをしたいからそれ以上でもそれ以下でもないな!」
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