美鈴、ドラバルトが狙われたみたいだよ
ここは美鈴とミィレインが居る特別観覧席。
あれから片づけが終わるとマルバルトと配下の者は、部屋を出て主催者用観覧席へ戻っていた。勿論、警備を強化してだ。
それと因みに、ただ片づけただけで部屋の中は至る所が破壊されている。
美鈴は現在、そろそろファルスの番だと思い窓から試合会場をみていた。
「次、ファルスの番かぁ」
「そうね。まぁ簡単に勝つでしょうけど」
「うん、ファルスは強いから」
そう言い美鈴は、ミィレインをみる。
✲✶✲✶✲✶
その頃ファルスは、入場口で待機していた。そのそばには、対戦相手と思われる黄緑色の髪で体格のいい竜人族の男が居てファルスを睨みみている。
(……オレを警戒しているのか? まあそうだろうがな。ドラバルトと一緒にいるのだから、魔王と関係していると思われてもおかしくない)
そう思っているとファルスの番がまわってきた。そのため入場口から会場へ向かう。
そのあとを黄緑の髪の男が追った。
✶✲✶✲✶✲
ここは試合会場。観覧席から、ドッと歓声が上がる。
そうファルスの相手は、ナンバースリーの実力者だ。
名前はカブルディグ・ドヴィス、年齢不詳。女神崇拝派の一人で、ドドリギア支部の最高幹部である。
因みにナンバーワンは、ドラバルトだ。いや、本来ならガブルディグはナンバーツーだった。
だがドラバルトが生きていたため、ナンバースリーに降格されたのである。
……ってことは、ここでファルスが勝ったら……更に降格だね。
そしてファルスとガブルディグは、お互い身構え睨み合っていた。
――場所は、控室へと移る――
あれからドラバルトは、覗き窓から試合会場をみていた。
だが、控室に人が増えたことに違和感を覚える。
(……さっきまで、こんなに居なかったはず。それに、人数的に……どうみても出場者よりも多いな。フッ……ってことは、そういう事だ)
そう思いドラバルトは、警戒しつつ窓の外をみていた。
するとファルスの試合が開始される。
それと同時に数十人もの男たちが、ドラバルトへ攻撃を仕掛けていった。
「戯けが……フッ、甘いわっ!」
そう叫びドラバルトはそのままの体勢で、即座に両手を上に掲げる。
《
そう唱えると一瞬の内に両手のひらに電気が集まり、それと同時に周囲へと無作為に放たれた。
それに気づくもドラバルトを狙う者たちは、逃げることもできず。
――うわぁぁぁぁぁぁぁ……――
真面に電撃を浴びそう叫び、バタバタと倒れる。
するとドラバルトは、振り返り状況を確認した。
「この程度の人数で、俺を殺せると思ったのか? ふざけているとしか思えん」
そう言い倒れている者たちを見据える。
その後、何事かと通路側で待機していた警備の者たちが慌てて入ってくる。
それをみてドラバルトは、更に呆れた表情を浮かべた。
その後、警備の者たちは救援を呼び床に倒れている者たちを救護室へ連れていく。
それを確認するとドラバルトは、溜息をついたあと再びファルスの試合をみる。
そしてファルスの試合をみながらドラバルトは、色々と思考を巡らせていたのだった。
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