美鈴、主役級のキャラが登場したみたいだよ
ここはこの世界の南西部にあるカーカイル大陸。この大陸の西側に大きな湖があって、その真ん中にオルパイルの町はある。
そして人口は約一千万人いると云われているが、実際どうだか定かではない。
この町の庭園では、男女が長椅子に座り話をしていた。
男の方はどうみてもこの世界の者ではない。
そう美鈴のようにこの世界に召喚された者だ。
だが、スイクラムが誤ってスイラジュンムに転移させたのである。
そのため自力で元の世界に帰る方法を探しながら旅をしていた。
能力は【ハズレ】であり、どんな攻撃でも自分にあたらない超レアなスキルなのだ。
だが、その能力に気づいていても【ハズレ】と云う能力だとは思っていない。
※無駄情報:因みに連は、短編の主人公だ。
連の隣に座っている女性はファーサシャ・リバルド、耳長の獣人族である。年齢は不詳でいいだろう。
髪は紺色でツインテール。左がハートで右の方は星の飾りがついたリボンをしている。そして可愛い巨乳系だ。
見た目そうは思えないが、かなりの剣の腕前である。
二人は一ヶ月一緒にここまで旅をしてきた。
「ファーサシャ、もう一ヶ月かぁ」
「うん……だけどレンは、まだ元の世界に帰る方法がみつからないんだよね」
「ああ……それに俺がこの世界にいなきゃいけない理由って、なんなのか分からないんだよな」
そう言い連は、遠くをみつめる。
そうこう話をしていると二人組の男が連とファーサシャの方へ近づいてきた。
「おい……可愛い獣人を連れて気にくわねぇ!」
ガタイのいい金髪の男はそう言い連を睨みつける。
「はあ? 確かにファーサシャは可愛いですよ」
そう連が返すと二人組の男は、ピクピク顔を引きつらせた。
「馬鹿にしてんのか?」
そう言い小太りで銀髪の男は、連に殴りかかる。
それをみても連は、微動だにせず動かなかった。
ファーサシャも何もしようとせず、ニコニコとしている。
そう……このあと銀髪の男が、どうなるか分かっていたからだ。
連に殴りかかろうとした直後、空から大きな岩が銀髪の男へ向かい降ってきた。
それに気づくも銀髪の男は、回避することができずに地面に倒れ血を流し気絶する。
(なるほど……今日は岩か)
そう思い連は地面に倒れている銀髪の男をみた。
「てめえ、何をした!?」
「別に何もしてないけど……」
それを聞き腹がっ立った金髪の男は、ナイフを取り出し連に斬りつけようとする。
「あっ、俺……し~らないっと」
「あらら……どうなっても、アタシ達はなんもしてないもんねぇ」
それを聞き不思議に思うも、金髪の男はそのまま連をナイフで刺そうとした。
すると凄く斬れそうな形の大きな岩が、金髪の男の左腕に勢いよく降ってくる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ……」
金髪の男はそう叫び持っていたナイフを落とした。それと同時に、左肩を押え蹲る。そう、左腕が切断されていたからだ。
……連の能力は一ヶ月で、かなりパワーアップしているようである。
「ハァー……流石にキツイな」
「うん、そうだね。どうする?」
「仕方ない……誰か呼んできてくれるか?」
そう言われファーサシャは頷いた。その後、近くに居た人に聞いて歩き手伝ってもらえる者をみつけてくる。
そして連とファーサシャは、手伝ってくれる数名と二人組の男を医療施設へ連れて行った。
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