第9話 王に会った

「王、浅葱あさぎ大佐を連れて参りました」

「ああ。少年は誰だい?」

「あ、初めましてよると言います。壁に関する話をしたく、来させていただきました」


「俺から説明させてください。よるは壁を壊して、『朝』と『昼』を大切な人に見せたいんだそうです」

王は悩んでいた。

「お言葉ですが、わたくしは壁を壊していいのではと考えております。

もう、いいんじゃないですか?」

何か事情があるのか。

「王様、俺はもう壁として30年間『夜』も守ってきました。俺の願いとしても、ぜひ」

王は「そうか」と言い、隣の空席を見た。

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