超彼女。

猫野 尻尾

第1話:中川 芽衣沙。(なかがわ めいさ)

はるか遠い宇宙にベゴニアピコティという神々的存在の女性だけの種族がいて、

そのベゴニアピコティは遥か昔から宇宙のあちこちで様々な実験を繰り返し、

そうやって新しい星が生まれ、そしてベゴニアピコティの遺伝子実験によって

能力知力を持った種族が生まれた。

だけどベゴニアピコティは星々の争いや揉め事には一切干渉しない。


この地球も少なからずベゴニアピコティの恩恵を被っている。

ベゴニアピコティは我々地球人に先端技術を提供してくれたおかげで人類の

科学は大きく進歩した。


そんな友好的な種族もいれば地球人の対応が気に喰わないからとプツンと

切れて地球に嫌がらせをする異星人もいて、特にガルトニア人のように地球に

対して侵略を企む非常識なやつらもいた。


そんな訳で人類は今、侵略者ガルトニア人の侵略を防ぐため応戦していた。


戦っていたと言っても一般市民は戦いには参加している訳じゃなく地球防衛軍が

ガルトニア人と交戦している。

戦闘は大気圏外が多く地上戦はほぼなかった。


対岸の火事的状態だったから僕たちは普通に高校へ通って普通に生活していた。

だから宇宙でそんなことが繰り返されてることなんか他人事だった。

だけど、戦いは戦々恐々・・・。


そこでガルトニア人に対抗して政府は最強の戦士を作ろうってことになったらしい。

いわゆるアメコミのヒーローやヒロインのような最強戦士を日本にも誕生させようと計画したわけだ。


そのためには優秀なベゴニアピコッティのDNAが必要になって来るわけで、

日本人は、強いDNAを持たないからベゴニアピコティにDNAを提供しくれる

よう要請した。


基本的にベゴニアピコッティは、よその星のことには干渉しないから自分

たちのトラブルは自分たちで解決しないよって、DNAだけ提供してくれた。

だけどベゴニアピコティは基本アマゾネス「女戦士」だったため提供されたDNA

も女性の遺伝子だった。


そんな訳でベゴニアピコティの最強のDNAを遺伝子に持ったヒロインが誕生した。

そして彼女の存在がガルトニア人にバレないよう一般家庭に預けられた。


彼女の名前は「中川 芽衣沙なかがわ めいさ」僕と同じ高校生として

現在同じ高校に通っている。


そして僕の名前は「永岡 圭史ながおか けいし」現在17歳の現役高校生。


大気圏外でのSFじみた話のことなど何も知らない僕は危機感もなく普通に生活して

いたから「中川 芽衣沙なかがわ めいさ」のことも、あまり知らなかった。


そんな中、僕は思ってもいなかった子から、屋上に呼び出された。

実は僕はその子が転入して来た時から、ずっと好きだった。

だけど気持ちを伝えても無理だと諦めていた。


それと言うのもその子はどこか普通の子と違っていたからだ。

とにかく勉強も運動もクラスでトップクラス、その美貌までも独占していた。

しかも彼女は人を寄せ付けないような不思議なオーラを放っていた。

それは僕みたいな霊感や気功とかに鈍感な男でも分かるくらい。


その彼女の名前が、今言った「中川 芽衣沙なかがわ めいさ


そんな高嶺の花からの呼び出し・・・なんだろうって思うよね。

ろくに話もしたことない子が僕になんの用?

そりゃ挨拶やちょっとした世間話くらいはするけど深い付き合いじゃない。


僕は屋上に向かいながら首をかしげた。

中川から、なにか頼まれたり相談されることなんかあったっけ?

でも、呼び出されたってことは、なにか頼まれるんじゃないか?

解せないまま僕は屋上の扉を開いた。


屋上に上がると中川が待っていて僕を見つけるとお辞儀した。


「永岡君、ひとりで来たの?・・・他に誰もいない?」


「ひとりだけど・・・」

「あの中川がなんで僕なんか呼び出したのか分かんないんだけど」

「頼みごととか相談事なら僕なんかより頼りになる優秀な男子いるでしょ?」

「なんで僕なの?」


「永岡君・・・そんなふうに思ったの?」

「全然、違うよ・・・永岡君なにか勘違いしてる・・・」

「まあ、相談って言えばそうなんだけどね・・・」


つづく。




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