座右の銘in暴論

1/2初恋、あるいは最後の春休みの

in暴論

見返したnoteには、一ページだけ意味のわからない箇所がある。


『今回のテーマは、、、


「第一座右の銘」


とします。

このテーマをどう解釈するかはあなたの自由です。

好きなもの全部詰め込んだ作品、ぜひ読ませてください。』


「第一座右の銘」

なんだこれは、何かの暗号か?

この世で最初の座右の銘?最も優れた座右の銘?

そんな単純な訳ないか。絵として考えろ。


第一座右の銘


しばらく眺めるが、何も見えてこないので、とりあえず分解。


第一座

右の銘


うーん、これは違うなぁ。


第一

座右の銘


妥当にこっちだな。しかし、まだ見えてこない。さらに分解するか。


从弟一

广坐右の金名


これを再構成して、


从弟一广坐右の金名


余分な「の」を中国語に変換。


从弟一广坐右的金名


文章らしきものが浮かび上がってきた。


从弟,一广坐右的金名


これだと微妙に意味が取れないので、よーく目を凝らす。おおっ、見えてきたぞ。广が个に。


从弟,一个坐右的金名


翻訳すると「弟より、右側に一人で座っている黄金の名前」か。


どうやら弟からのメッセージのようだ。しかし、私に弟はいない。どう解釈するかは自由だと言っていたし、この文章はきっと何かのメタファーだろう。


黄金はおそらく黄金の国ジパング。右側に一人で座っているというのは、極東に位置する右傾化した国家を表している。その名前といえば一つしかない。日本だ。ここまでは簡単。問題は弟だが、これは日米関係を兄弟に例えており、日本視点でのアメリカへのメッセージと捉えられる。


一人で座っている、つまりはアメリカのいいようにはされないという宣戦布告、これは現代の真珠湾攻撃を意味する。現在の日本と大日本帝国とを暗に重ね合わせるニュアンスもあるのだろうか?


頭がこんがらがってきた。一旦、座右の銘に戻ろう。真珠湾攻撃で座右の銘といえば何だ?そう、山本五十六。彼の言葉はよく座右の銘に使われている。私が初めてそれを見たのはラーメン屋のトイレでだ。つまり、答えはラーメン屋にある。


店前には味覇のトラック。卓上には赤いパンダ。ドバドバドバドバ。どいつもこいつも味の素。化学の力で解決や。とでも言わんばかりに麺をSUSURU音が店内に響き渡る。


逆張り体質の私は、それを横目に一人だけ炒飯を注文。口に運ぶ。熱々の卵炒飯を。ここではたと気づく。黄金ってもしかしてこれのことか!?


そこで思い出されるのが、朝鮮戦争の最中、毛沢東の息子が卵炒飯を作ったその煙のせいで、米軍に見つかり、戦死したという都市伝説的なエピソードだ。


ようやく答えにたどり着いたぞ。今回のテーマは実は中国語で、そこからラーメン屋、卵炒飯―黄金―毛沢東へと発展していった。初めからすべては繋がっていたのだ。しかも私はいま右端の席に一人で座っている。こんな偶然ってあるか?ないよな?で、これは結局なんの話なんだ?って、おっと、そろそろ時間のようだ。ではここで座右の銘を一つ。


「調査なくして発言権なし」『毛沢東語録』より

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