第11話 ステータス
・『金剛兵装』シンゲン
性別:男
年齢:二二歳
身長:一九五センチ
容姿:D
思想:単純明快、ならばこその善悪両有
体力:B+
筋力:B+
技力:D
速力:D+
知力:D
特記事項:異能『オーガー』
・『絶世舞姫』カルメン
性別:女
年齢:一八歳
身長:一七二センチ
容姿:D+
思想:秩序を重んじず、好悪をこそ尊ぶ
体力:D
筋力:D
技力:D+
速力:D
知力:C
特記事項:異能『アイスエイジ』
・『悪喰魔獣』ハガネ
性別:女
年齢:一四歳
身長:一三九センチ
容姿:D
思想:人より獣に近いがゆえの悪
体力:D
筋力:C+
技力:B++
速力:C+
知力:D
特記事項:異能『エンドギフト』
・『失墜飛燕』キョウ
性別:男
年齢:一六歳
身長:一六七センチ
容姿:D
思想:委ね寄り添う暖色
体力:D
筋力:D
技力:D
速力:D
知力:D
特記事項:異能『カウントダウン』
「以上が解析結果だ」
夕刻。
大体同じタイミングで宿に戻った俺達四人を出迎えたジャッカルが、前置きも雑にスマホを見せてきた。
「ステータスの評価は各項目共通してDが最低値であり、同時に基準値。全人類の九割九分九厘九毛九糸九忽以上は、ここに該当する」
Dの範囲ちょっと広過ぎ。厘より下の単位とか初めて聞いたわ。
あと頭のとこに付いてる称号みたいなのヤメロ。読むだけで背中痒くなる。
名前も当然の如く、こっちで新しく決めた方だし。アプリにまで厨二病が伝染してやがるよ、タチ悪い。
「残る一忽未満、ひと握りの才人達も殆どがD+止まり。運動競技に於ける世界記録保持者や権威と称される碩学など、各分野の頂点を戴く者で、ようやくCに入るか否かの分水嶺。C+ともなれば文字通りの超人。B以上は最早、異端の領域。いずれにせよ人間やめてるレベルだな。普通、居ない」
Bどころか、B+とやらを二つも持ってるサイボーグゴリラが目の前に居るんですけど。
俺の隣で居眠りしそうな猛獣ロリに至っては、B++なんて意味不明なのが混じってるんですけど。いっそAでは駄目だったのか。
やっぱりコイツらバケモノじゃねぇかよ。
つっても、大体想像は及んでたが。意外だったのはカルメンの知力くらいか。
この綿菓子みたいな見た目ゆるふわ系が人類トップランカーねぇ……試しに六桁の暗算でもやらせてみよう。
――カルメン、八四六一九五×四九二三五二は?
「四一六六二五八〇〇六四〇でぇす」
はっや。即答ですか。
でも合ってるか分かんない。適当に数字並べただけだし。
「……ふむ、正解だ」
律儀にスマホの電卓を使って計算したらしく、神妙な様子で頷くジャッカル。
マジで正解なのか。怖っ。
「しかしステータスは兎も角、肝心なのは特記事項だな」
カルメンに数学問題を出すのがプチ流行し、十問ほど連続正解を経た後、シンゲンが本筋に話を戻す。
……二十六進数変換した英文を暗算で再変換って。レインマンかよ。
「例えば俺様の『オーガー』って、なんなんだ?」
ありふれたラノベの設定を参照するなら、俺達を浮遊大陸へと引き寄せた何某かの作為により備わっただろう特殊能力。
そんな推論の考証はさておき、存在証明が為された異能の概要くらいは知っておきたいと尋ねるシンゲン。
だが。
「知らん」
「は?」
ジャッカルの短い返答に、シンゲンの目が点となった。比喩だが。
負けじとカルメンが口をバッテンにする。比喩じゃなくマジで。
張り合うな。
「今回の解析は最低限の情報のみに留めた簡易版だ。異能の全容を照らし出すには一番短かったキョウでも軽く二ヶ月以上、君やハガネに至っては約半年かかる」
エグいなオイ。
写真一枚で能力まで分かるのは凄いけど、いくらバッテリー無制限だからって、そいつは流石にキツい。
しかもアプリ起動中は他の機能が大幅制限され、電話すら無理と来た。
「よって、各々での検証を頼む。現状、発動方法すら不明だが」
「はー。まあ、だったら無いもんとして扱うだけだぞ」
「…………どうでもいい、わ」
興味ありませんとばかりな態度のシンゲンとハガネ。
ドライな奴らだ。使ってみようと唸ってるカルメンを見習え。
「おっと、そうだ。一応オレの解析結果も見せておこう」
夕飯時の食堂に人が集まり始めた頃合、ついでとばかりジャッカルが再びスマホを操作。
保存されていた自身のデータを開き、提示する。
……それを目の当たりとした俺は。まさしく、今日一番の驚愕を味わうこととなった。
・『百計女優』ジャッカル
性別:女
年齢:二〇歳
身長:一六三センチ
容姿:D
思想:浮舟の如く移ろい、定まらず
体力:D
筋力:D
技力:D
速力:D
知力:D+
特記事項:異能『ウィザード』
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