デスゲームの料理人

@nazukeiryuu

第1話 デスゲームの料理人

「パスタできたぞ!運んでくれ!」

「料理長!1番テーブルのお客さまがもっと血っぽくしてくれって!」

「血糊でも飲ませとけ!」

「料理長!3番テーブルのお客様からお礼です!」

「あぁ?なんだこれは?チケット?」

「次回開催予定のデスゲームの参加券だそうです!」

「誰が行くか!しかもよりによって複数枚あるじゃねぇかよ!」

「『勝者は一人、弱肉強食だ!』って笑顔で言ってました!」

「テーマパークのノリでチケット配ってんじゃねぇよ!そんなもん破って捨てとけ!」


 俺は最近まで王都のレストランで料理長をしていた。それが前支配人が体調を崩しちまったことをいいことに支配人の親戚のやつがそのレストランを私物化しやがってクビにされたってわけだ。その後にこれからどうするか考えてたら料理人募集の求人があったから申し込んだんだ。そしたら面接にすぐ案内されて即採用された。そのときこれでまた料理人として働ける!と喜んだんだが……。

 誰がデスゲームを見ながら楽しむための料理作らされると思うんだよ!最初に聞いたときわけがわからなくて何回もここの支配人に聞き直したさ。嘘だろ?ってそしたら


「別にデスゲームの一つや二つよくあることじゃないですか?ほら、早く準備してください。これからコラボメニューも考えなきゃいけないんですから」


って言われたさ。そもそもコラボメニューってなんだよ!デスゲームに人気マスコットって!少し内臓が出ててキモカワ…、いや少しも可愛くないだろ!

 まぁこんなふうに最初は状況が掴めなかったが、今じゃしっかりと料理長として働いてるから不思議だよな。やっぱり人間慣れるもんだな。

 

「それじゃあ今日も仕込みから始めるか」


 まぁこうしていつも通り忙しない1日が始まった。

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