第2回短歌・俳句コンテスト 短歌二十首連作「流星フロム全世界」

若宮

二十連作「流星フロム全世界」

ご都合がよろしいようで、全世界 勝手に私の手を取らないで


親知らず、勝手に抜けるような日々を 富山にそろそろラウンドワンを


ヘタクソは免罪符にならないのでね つべこべ言わずに走れ、昼夜


BPM20違うとお話が通じませんので歌うバラード


「神様はいない」と謳う少年の頬を微かに火照らせた風


食パンに足をとられて転んだ、あの日の吐息は雪をも溶かす


「消えかけの星には歌が似合うよ」とあなたは見向きもしないくせにさ


俺の安いスカジャンを羽織り笑う時、あの信号が青に変わった


お流行の色にはどうもなじめずに一人で空を見ていた、七夕


「もしも全世界が私に恋したら」この町は消えてなくなるのかな


エンターキーすごい勢いで叩いてる 女子の扱いもきっと同じだ


正直が美徳なんだと話す君 興味がないのバレてますけど


A like B,B like Cだってそんなに悲しいことがあるかね


坂道「そこに神様はいましたか 信ずれば叶う」なんて強がり


メダルとか要らないですけど、あなたという誇りをずっと世界に掲げる


控えめなくしゃみをしてるあの人の脇を思い切りくすぐりたいね


「消しゴムは要らないんじゃない?」一歩ずつ大人に向かって歩き出している


君がいつか悲しいこと悲しいと言えば咲いた花はあるのか


「強がってる」それもわかってる 冗長に凪の新月、ため息が撃つ


あなたにも見せてあげたい立山の真っ暗にみぎ、ひだり 流星

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第2回短歌・俳句コンテスト 短歌二十首連作「流星フロム全世界」 若宮 @Wakamita-Hajime

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