第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト応募作

杢 いう子


苗木植え風すこやかな棲家かな


今日までの枝明日からを木の芽時


はち切れんばかりの芋虫の無邪気


犬ならばいつも笑って五月闇


紫陽花は鳴らない野良の通り道


ブルーベリー落ちやすければ人のため


大小の蟻に天地を拓きけり


人間も虹を作れる だが飽きる


机上なり西瓜完熟予定日も


一人来て一人が帰る草いきれ


太陽の悪口を書く夏休み


ラベンダー枯れて我が家の子におなり


まごうことなき里芋で雑草で


収穫が重くて長い影ばかり


僻地とは枯れて過密のつたかずら


f分の一のゆらぎや月夜茸


すみずみを守る枯れ草枯れ葉かな


黒猫が溢す光も初日影


水色のホースぐだぐだ冬ざれて


北向きの庭に初蝶だけが色

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第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト応募作 杢 いう子 @monkuiuco

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