第2話素材集めの誘い
「——昨夜もまた雑魚に絡まれてさぁ」
「貴倉ってなんでそんな絡まれんの?あんたのプレースタイルっていうほど悪くないじゃん……あのパーティは良い噂聞かないし、確かに煩わしいわ」
私は昨夜のナルックのパーティに絡まれたことを友人に愚痴っていた。
米谷舞歌が一つ前の席の椅子の背もたれに頬杖を突き、苦笑を浮かべながら愚痴に付き合ってくれる。
私をゲームに誘ってくれた一人が正面で向かい合っている米谷だ。
「普通にプレイしてるつもりなんだけど……そうだったんだ。舞歌ちゃんって今晩の予定は決まってる?空いてたら、素材集めに付き合ってほしいけど……どう?」
「良いよ、別に。何処の奴等を狩る感じ、貴倉?」
「サンキュ、舞歌ちゃん!広大な森んとこなんだけど」
「あーそっち。透明になるキツツキか、狙いは?」
「うん、そうそう!レアな素材で、ステルス属性を武器に付与したくてさぁ!」
「まぁた舐められる要素を。まあ、確かにアレは滅多に姿を見せんし、討伐難度は☆7に達してる……ステルス性のモンスターはフィールドのボスモンスターの二体を除いて、五体しか居ないから付き合う価値はあるね。楽しそ〜!」
米谷はご満悦そうに上半身を左右に揺らしていた。
「【
「いやぁ〜そっち系を製作して、遊んでないから持ってないわ。確かにあのキツツキの鋭い嘴で攻撃されても耐えれる耐久性があんのはそっち系だねぇ〜!」
「そうなんだよね。舞歌ちゃんが持ってないなら……」
「あー私のフレンドの何人かに心当たりがあるから訊いてみるわ。借りれるかどうか」
「そう、期待しとく」
「うんー。隆哉とは組まないの?」
「組まない組まない、足を引っ張るもん絶対」
「そうかね〜あのシスコンはそんなこと気にしないでしょ」
「そうだけど……舞歌ちゃんに付き合って貰いたいの」
「はいは〜い。じゃあ、もう教室に戻るわ」
「うん、じゃあまた〜」
椅子に跨るように座っていた米谷がスカートを押さえ、片脚を上げて立ち上がり、自身の所属するクラスの教室へ帰っていく。
数分後に予鈴が鳴り、朝のSHRが始まる。
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