【俳句の部・二十句部門】『初夏』

天鳥そら

第1話初夏

職場にも運びたくなる青葉かな


葉桜に面影描くはるのひと


はじめての笑顔まぶしき若葉かな


緑陰や昼寝きめこむ休息日


宿題終え青嵐と駆けていく


緑風にはためく旗をねめつけん


朝さんぽ薔薇の観賞かねており


青くなれ金になれよと田植えかな


新緑に寄り添いたがる雨の粒


立夏だぞ新しいシャツに改まり


睡蓮もぼちぼち顔だす心地かな


滝登りする気配ある鯉のぼり


軽やかに歩数計も風薫る


若々し青しふかしの緑かな


たけのこやいつものランチにそっと添い


ネモフィラや青空に抱かれる大地


香水の瓶に詰めたる神の水


曇天に晴雨兼用かさひらき


うぐいすの谷渡り聞く散歩道


つばめの巣そろそろ主の帰還かな


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