第34話 体育祭④

『けっっ果発表だー!!』

「「「「うぉおおおお!!」」」」


 その後、団体種目と応援合戦を終え、長かった体育祭も結果発表の時間となった。

 声をガラガラにして限界を迎えてそうな(団体種目及び応援合戦の代償)人がほとんどだがそれでも盛り上がりは絶好調だ。


『それでは赤団の得点から行きます!』


 司会がそういうと全体が静まり返り聞く体制となった。

 この学校の体育祭は順位順では言わず、得点だけを発表していくタイプである。

 そのためよく聞かないと自分の団の順位がわからなくなるのだ。


『赤団……三百七十三点!』


 赤団は三百七十三点、しかし赤団からは盛り上がっている様子はなく『おー…』とか『あー…』とか拍手といった感じだ。

 まぁ、一番最初は点数も順位もそれが基準になると思ってしまうのとそうなるか。

 現在優勝赤団


『続いて青団……三百七十九点!』


 司会が全体を見計らってからか静まったと思うと連続して今度は青団が呼ばれた。

 赤団からは悲痛の叫びが聞こえ、青団からは喜びの声が聞こえてきた。

 現在優勝青団。


『続いて黄団……三百八十八点!』


 おー…、すごいな…。

 意外と他の団と差が広がったことに俺は観客席の人みたいなことを思ってしまったが多分それは俺だけだな。

 だって急に周りが爆発したのではと言えるほど歓声で沸き立っているのだから俺みたいのはそういないだろう…。


『続いて緑団……三百七十点!』


 ……。

 俺はとりあえず失礼があってはいけないので余計なことは考えずに拍手だけをしとく。

 それは全員同じ考えだったのか同じく拍手をしているのだが、それを掻き消すほどの悲鳴が聞こえてきた……気がした…。

 得点だけ発表するタイプならこういうこともそりゃあるか。


『続いて最後に白団………』


 しかし、その現状をぶった切るかのごとく司会が最後の白団の得点発表を行う。

 さらに最後だからか司会は発表を少し溜めている。

 全員が特に黄団と白団が次の言葉に緊張するなか、司会がゆっくりと口を開く。


『三百九十二点!…ということで優勝は白団だー!!』


 その言葉にグラウンドが歓声と悲鳴の嵐で包み込まれた。

 喜びに満ちた顔に染まる人もいれば、これで最後の体育祭であろう人が泣いたりと様々な人がいるなか、これにて今年の体育祭は終了したのであった。

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