第32話 体育祭②
この体育祭の順位の決め方はとてもシンプルで、団体種目は一位が五十点、二位が四十点…と、個人種目は一位が五点、二位が四点…という配点の仕方で行い、最終的に総得点が多かったところの勝ちという感じだ。
『それでは最初に行う種目は……徒競走だ!!』
「「「うおぉぉぉ!!!!」」」
司会も楽しそうに張り切っていうと全団からこれでもかというほどの応援の声が聞こえてきた。
まだ一種目目なのにここまでとは……後半ばてなければいいのだが…。
個人種目はどの学年も同じものをやるのでその種目が来たら一年から順に始まる。
なので先ほど徒競走を選んだという坂上くんはもうすでにあの場にいた。
スターターを持った先生がスタートラインに向かい、『位置ついて、よーい…』と言うと選手は構えた。
そしてパンッと音がすると同時に選手は駆け出し、テントの中は声援の声でいっぱいになった。
『さぁ始まった!まず青団が先頭に出た!おっとしかしここで、緑団が追い上げてきたー!!いやその後ろに黄団も追いついている!!』
先にばてるのは司会だなと思いながら、百メートルを全力で走ってる女子を見る。
初っ端から大盛り上がりである徒競走、最初に一位にゴールした団は…。
『緑団一着でゴール!!』
青団のテントからは『うおぉぉぉ、よくやった!!』とか『先制点だーー!!』など歓声の声が、他の団からは『大丈夫だ!気にするな!』とか『よく走った!』など励ましの言葉が聞こえてきた。
この学校結構いいところ?
そこはまた考えるとして続いて第二走の準備が始まった。
―― ―― ――
『さぁ、ついに一年最終レースだー!!』
「「「うおぉぉぉぉお!!!」」」
司会も団員たちも衰えたいものを知らないのかずっとこの調子でやっていき、ついに一年最終レース。
女子、男子の順番で行い、ここまでまだ走ってはいなかった坂上くんがスタートラインにいたのだが。
「あれ?修哉もいるな」
その隣には青い格好をしていた修哉が坂上くんの隣に同じく立っていた。
修哉からはなんの種目に出るのかは聞いていなかったが、まさか徒競走で更には坂上くんと一緒に走るとは思ってもいなかった。
先生が再びスタートラインに位置するとこれで数十回いうことになる言葉を口にし、それを聞いた五人は構えて待つ。
毎度スタート前は全体が静かになるため、パンッとスターターの音がよく聞こえた。
五人が一斉に飛び出した。
最初に先頭に立ったのは青団、修哉だ。
坂上くんは少し出遅れ現在三位の場所を走っていた。
しかし、さすがサッカー部、その場からぐんぐんと距離を縮めていき中盤で二位の赤団を抜かし、その勢いで修哉とも接戦の距離で勝負を繰り広げる。
これには場も司会も盛大に盛り上がる。
ついには二人が横に並ぶまでになっていき、デットヒートのなか先にゴールテープを切ったのは…。
『接戦の末、先にテープを切ったのは黄団だ!!!』
「よっしゃ!!いいぞ一年!!!」
なんと黄団であった。
これによって黄団のテントの中は大盛り上がり(主に団長が)。
走り切った二人は坂上くんは修哉にドヤ顔をして、それに対して修哉は悔しそうな顔を出していた。
こうして初っ端から大盛り上がりである徒競走一年が終わったのである。
ちなみに司会も団員たちも変わらず元気なままだった。
体力やばすぎだろ…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます