ボッチのオレにかまってくれていた幼馴染が急にいなくなっちゃったんですけど⁉
猫の集会
入学
春
桜がハラハラと舞い散る中オレは高校生になった。
なんて心地よい春の風。
母親の運転で学校までブーンと、あっという間にワープして、この学校の地にあしを一歩踏み入れた。
はぁ〜っと、息をはいた。
グフッッ…まずは、息を吸うべきだった。
朝から酸欠で少々やる気を失う。
「なにしてるの?りおと。いくわよ」
母親の言葉に引っ張られオレは、昇降口へと歩いた。
あー、誰と同じクラスかなー。
同じ学校だった人いるかなぁ。
まぁ、あんだけいるんだし誰かしらいるだろう。
…
…
まずは、貼り出された名簿から自分探し。
うん。ビー組です。
で、友達友達…と…もだ……ち……
…
…終わったーーー…
いねー…
だっれもいねーー…
なんでだよ?
三クラスしかねーのに、知らない人率高くね⁉︎
なんで隣のクラスに同じ中学出身四人もいんだよ‼︎
オレボッチじゃねーかよっ‼︎
…
心の叫び、大ブーイング勃発中です。
仕方なく教室へと向かった。
…
あーうぜー…
…
知らない学校…知らない教室…知らない机に椅子…
そして…知らない人だらけ。
なんの罰ゲームでしょうか?
…
どうしてなんだよ…
せめて…せめて誰か一人でも…てか、菜乃花さえ同じクラスであってほしかった。
…
なのかぁーー…
オレは机に頭を伏せて菜乃花と心で連発した。
菜乃花とは、オレの幼馴染だ。
幼稚園から一緒で、小学生のときは六年間同じクラスだった。
そして、また中三でも同じクラスで隣の席だったんだよね。
あんなにずっと一緒だったのに…なぜ今こそ別々なんだよーーー‼︎
…
知らない人だらけのクラス…息苦しい。
酸欠になるからとりあえずトイレに行きたくないのにトイレに行くふりをして教室から脱出した。
すると隣のクラスから菜乃花が偶然でてきた。
「あれー、りおと隣のクラスなんだ?」
と呑気に菜乃花がオレに話しかけてきた。
てかさ、菜乃花‼︎
もう隣に友達連れてんじゃん‼︎
コミリョクバケモンじゃんっ‼︎
「あー…、うん。てかお隣にいるのは…お友達?」
「うん。塾一緒だったのー」
「「ねー」」
仲良く顔を見合わせてニコニコする菜乃花とお友達…。
ははははは…
オレなんて塾もスポーツ仲間も別のクラスっすよ…。
まったく…。
そんなオレは、絶賛人見知りなのでこれからお友達ができるか非常に不安です。
「おお、りおとー‼︎」
元気よくオレにタックルしてきたのは、またも同じ学校出身の菜乃花と同じクラスの宮内だった。
「おー…みやぅー…っ…ぅぅうーっ」
「あれ?大丈夫?タックル強すぎた?」
「ちげー…てか、みやうもシー組かよー…」
「あぁそうだよ。で、りおとは誰と一緒?」
「オレ…誰もいねーっす。」
…
「あー…それはおつー。ってか、りおと今日眼鏡なんだ?」
「うん…。今までは、授業中しかかけてなかったけど…なんか一応見えないと不安で。」
「だな。そんじゃまたー」
と、みやうはシー組に入っていった。
…
いいなぁ。
みやうも菜乃花もさーー……
…
とりあえず知らない人にまみれてなんとか無事入学式を終えた。
そして次の日、箸を落として洗いにいったら菜乃花がいた。
「…おっす」
とりあえず菜乃花にご挨拶。
「おいーっす‼︎」
と、元気よく返してくる菜乃花。
「菜乃花ー、これしまっとくね」
「うん、ありがとー」
…
少し離れたところからひょっこり現れた女の子。
菜乃花に話しかけるまたもや知らない新キャラ
「え、この前と違う人…もう新しい友達?」
「あー、ネッ友」
⁉︎
「え?」
「学校入る前にネットで繋がってね。」
…
「へー」
「じゃ、またねーん」
と菜乃花は、自分の眼鏡をクイっとなおしながら行ってしまった。
…
菜乃花…すげーな。
そんなこんなで、数日が過ぎた。
まだそんなになじめてないけど、とりあえずたまに見かける菜乃花をみてホッとするオレなのでありました。
オレは眼鏡をかけたりかけてなかったりなんだけど、とりあえず眼鏡なしでも、どこにいても菜乃花はすぐに見つかる。
菜乃花は、あの青いフチの眼鏡がトレードマークだからな。
菜乃花がオレの心のオアシスなのかもしれないな…
あーあー…
菜乃花は、いいなあー…
…
続く。
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