放課後チャペルクラブ
和希
第1話 プロローグ ~ チャペルにまつわる、ふしぎなうわさ ~
みなさんは、ある学校に建つ、ふしぎなチャペルのうわさをご存じですか?
私立フリージア女学院。
豊かな緑に囲まれ、四季折々の花たちが美しく咲き誇る、乙女の園。
そこでは、濃紺の下地にタイを結んだセーラーワンピース風の制服を着た生徒たちが、ほがらかに笑いあい、高らかに讃美歌を響かせています。
創立百年を越える歴史を誇る私立フリージア女学院は、これまで数多くの著名人たちを世に送り出してきた、カトリック系の名門お嬢様学校なのです。
そんな由緒ある学び舎の敷地の奥に、まるで人目を避けるかのようにひっそりと、小さなチャペルが建っています。
高く突き出した三角の屋根。汚れのない白塗りの壁。銀色に光る十字架。そして、陽の光を浴びてまぶしくかがやくステンドグラス。
まるでおとぎ話の世界から飛び出してきたかのような神秘的なこのチャペルには、少女たちの間でまことしやかにささやかれる、ふしぎなうさわがあるのでした。
――ねえ、知ってる? 放課後にあのチャペルで祈りをささげると、どんな願いでも叶うんですって。
おや、今日もまた悩める少女が一人、うわさを聞きつけてチャペルにやって来たようですよ。
はてさて、いったいどんな願いを叶えたいのでしょうね?
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