第315局地航空師団

井場新津

第1話 第315局地航空師団

  西暦2076年 スタインウェイ王国


長きに渡って続いていた世界大戦が終わりを迎えて52年、、、主戦場となった大海サンズ洋沖に浮かぶ島国であるスタインウェイ王国は、はるか昔スタインウェイ王とその家臣たちにより作られた国である。本島となるエンゲルハル島と大小様々な数百の島からなる領土は離れてはいるが世界中にみても大きい国であり、先の大戦での勝利により先進国としても名を連ねる。政治においても国王はいるが、議会が主になって政治を進めている立憲君主制をとっている。

 スタインウェイ王国が古くから抱える問題として外せないのは、対立国ダダリアの存在だろう。ダダリアはスタインウェイ王国同様王立国家であり、向かい合う形で存在する大陸にある国だ。ダダリアとスタインウェイは建国当初から仲が悪い。最初は王同士の仲が悪いだけだった。しかし、国際会議で海域に制限ができたことにより海域を巡って政治的対立にまで発展した。また、海域制限下での緊張に拍車をかけたのが第316号島侵略事件だ。

 スタインウェイ王国の島にはそれぞれ番号がつけられており第316号島は本島から一番離れた島として登録されていた。しかし数年前ダダリアが316号島をスタインウェイよりもダダリアの方が近いという理由で占拠をはじめた。スタインウェイ王国はダダリアを領域侵犯として訴えたが、ダダリアがこれを無視して以来緊張状態が続いている。現在第316号島はダダリアの西部海域哨戒基地が建てられており。スタインウェイ王国はダダリアのさらなる侵略に備え316号島西岸200km、首都エンゲルハルより2500kmの位置に存在する第315号島を侵略に対する前線基地とし、第315特別飛行連隊基地を設置し各連隊よりエース級パイロットを集め第315局地航空師団を結成した。

 第315局地航空師団(315部隊)は表向きはアグレッサー部隊や広報部隊として活動をしているが、ダダリアの武力攻撃を受けた際の迎撃作戦に備えた最高戦力として置かれている。また、315部隊はスタインウェイ王国の航空機会社であるシュタインベーグ社の最新機の試験運用も引き受けており、通常部隊とは違った特殊な部隊となっている。

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